英陸軍はより強い火力を求め81mm迫撃砲を120m迫撃砲に置き換える

英陸軍はより強い火力を求め81mm迫撃砲を120m迫撃砲に置き換える
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イギリス陸軍は、コストも意識しながら、より多くの迫撃砲火力を戦場にもたらすために、81mm迫撃砲を120mm迫撃砲に置き換える事を決定した。

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英陸軍の迫撃砲小隊は現在”L16 81mm迫撃砲”を使用していますが、火力とコストを考慮して、より強力な120mm迫撃砲に置き換えられる予定だとArmy Technologyが報告した。L16迫撃砲はイギリスで開発され、1950年代半ばに英陸軍で採用された。アメリカ陸軍では「M252」、陸上自衛隊では「81mm迫撃砲 L16」という名でも使用され、世界40か国で採用されている。最大射程は5,650mで榴弾、発煙弾、照明弾が発射可能。重量は36.6kgで砲員数3名で運用。車両に搭載して運ぶのは勿論、短い距離なら分解して、歩兵が持って移動させることも可能で、機動性が高く、迅速な離脱と新しい射撃位置への砲陣地転換が可能だ。

ただ、現在、NATO諸国は、より強力で射程が長い120mm迫撃砲に切り替えつつある。120mmは威力が高くなるのは勿論のこと、最大射程が7~8kmに拡大、推進弾を使用すれば、射程は13km程になり、105mmや122mm榴弾砲と遜色ない射程を持つ。兵器が発展すると共に交戦距離は長くなっており、地上部隊はより長く、威力の高い兵器を求めている。実際、120mm迫撃砲はNATO全体で一般的な兵器となっており、陸上自衛隊も採用しているが、西側の主要軍隊の中でイギリスだけが実は120mm迫撃砲を採用していなかった。

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120mmは総重量500kgを超えるため、牽引で移動するのが一般的で歩兵が携行できる重さではない。81mm迫撃砲は前述したように歩兵部隊に随伴でき、歩兵火力して使用できるが、120mm迫撃砲となると完全な砲兵部隊になる。英陸軍は81mm迫撃砲を歩兵大隊の一部として運用していたが、現在、この火力は歩兵が携行できるバズーカやロケットランチャー、グレネードランチャーで補う事が可能だ。実際、米陸軍では携行式火砲に置き換えられ81mm、60mmといった迫撃砲はほとんどみられなくなったと言われている。また、対ロシアでNATO間の協力をより綿密にしていく上で、装備の共通性は重要事項であり、その改革の一環ともされる。英陸軍はこれまでNATO基準の120mm滑腔砲ではない、120mmライフル砲を搭載したチャレンジャー2主力戦車を運用していたが、現在、120mm滑腔砲を搭載したチャレンジャー3を開発中であり、主力戦車もようやくNATO標準化される。

また、陸軍は高価なブリムストーン対地ミサイルに代わり、より安価な70mmロケット弾の使用を開始する予定だ。ブリムストーンはもともと空軍用の空対地ミサイルと開発されたが、現在は攻撃ヘリにも搭載され、地上発射型も開発され、ウクライナにも200発が供与されている。

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