ポーランド陸軍、訓練で今月5人目の死者を出し、実弾使用を禁止する

ポーランド陸軍、訓練で今月5人目の死者を出し、実弾使用を禁止する
NATO

ポーランド陸軍は訓練で今月5人目の死者を出した事を受けて、安全管理の確認ができるまで当分の間、実弾及び、爆発物を使用する訓練を中止する。

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ポーランド国防省は3月26日の声明でヴワディスワフ・コシニアク=カミシュ副首相兼国防大臣の命令により、ポーランド陸軍参謀本部および軍司令部は、ポーランド陸軍兵士の訓練中に適用されるすべての手順と安全条件を直ちに再検討すると発表した。この見直しが完了するまで、国防大臣の決定により、国内の部隊は実弾及び爆発物を使用した訓練が停止される。

この決定は先日、タトラ山脈で訓練中だった特殊部隊隊員が死亡した事によるもので、ポーランド陸軍内で3月に行われた演習及び訓練中に死亡した兵士としては5人目となる。最初の死者は今月5日になり、装甲部隊訓練センターの訓練場で歩兵戦闘車に兵士2人が轢かれ命を落としたと伝えられている。25日にはシロンスキエ県の実験場でTNTの装薬に伴う爆発事故が起こり、2人の工兵が死亡した。特殊部隊隊員が死亡した詳細についてはまだ不明で、ポーランド国防省は死亡の経緯について調査を開始している。ひと月で5人もの兵士を訓練中に失った事を受け、国防省は原因、安全手順の調査、確認が終わるまで実弾及び、爆発物を使用した演習及び訓練を中止することを決定した。なお、国外で訓練、作戦任務にあたっている部隊とウクライナ兵に訓練を提供する部隊はこの適用からは除外される。

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ウクライナ、ロシアの飛び地カリーニングラード、ロシアの衛星国ベラルーシと隣接するポーランドは対ロシアのNATO最前線であり、現在も冷戦後最大となるNATOの軍事演習「ステッドファスト・ディフェンダー24」の演習場の一つにもなっており、NATO演習におけるポーランド軍の実弾使用の可否については触れられていない。ポーランド軍はロシアのウクライナ侵攻を受けて、急速に装備の近代化と更新、戦力の拡大を図っている最中であり、その点の影響が懸念される。

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