昨年、進水した中国人民解放海軍の3隻目の空母「福建」。電磁カタパルトといった最新技術を取り入れ、これまでの遼寧、山東とは異なる設計の最新鋭空母とあり、その性能には疑念を抱くが声もありますが、試験は順調に進んでいるようで、今年後半には海上公試に出るようです。
In a report on China's newest aircraft carrier, the 003 Fujian (18), Navy officers confirmed that it is the 1st Chinese carrier to be equipped with an electromagnetic catapult takeoff system, as well as an electromagnetic arresting & landing device
— Dragon Wong 黄龙 (@DragonWong2024) March 15, 2023
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中国海軍の3番目の空母「福建」は現在、”海上公試”へ向け、港で”係留公試”を行っており、試験は順調に進んでいます。係留公試とは港の岸壁に係留する形で行われる試験運転で、エンジンを低回転で稼働させ、動力伝達系統など各機関が問題なく正常に稼働するか、温度上昇、振動などが確認されます。
中国国営放送のCCTVが公開した最近の映像では実際、喫水線の上に設けられた、排煙口から上に向かって黒ずんだ跡が残っており、軍事アナリストによれば、この煙の跡は船の補助電源システムのエンジンを稼働させた跡になります。通常、船は艦上部に煙突を設けますが、空母の場合、煙が気流を乱したり、視界不良を招き、発着艦する艦載機の邪魔になるので、煙突口を船の外側、下に向けたりするなど、航空機に影響しないように配置します。「環球時報」によれば、全てのサブシステムのテストが係留公試で合格した後、推進力、通信、ナビゲーションシステムなどをテストする海上公試が開始される可能性があると、専門家は述べています。
現在、中国海軍は2隻の空母を就役させており、1番艦の「遼寧」は定期メンテナンスに入っており、2番艦の「山東」は実戦認定を受けて遠洋作戦を開始する準備を進めています。2022年に進水した3番艦の福建は2025年の就役を目指しています。
福建(003)とは
福建は中国海軍3隻目の空母であり、2隻目の国産空母です。1番艦の「遼寧」がウクライナから購入したスクラップの空母を改修した船で、2番艦の「山東」がそれをベースに建造した船に対し、3番艦の「福建」は新たに設計した新鋭空母です。これまでの2隻がスキージャンプ方式を採用するなか、福建には最新技術の”電磁式カタパルトシステム”を採用。これは現在、米海軍の空母でも最新鋭のジェラルド・R・フォード級しか持ち合わせていません。このカタパルトにより、艦載機の運用性能が大幅に上がり、早期警戒機の搭載も可能になります。
写真 新華社6月17日、中国海軍の3隻目の航空母艦となる003型「福建」(CV-18)が2度の遅れ、当初の予定から1年遅れで、上海にある中国造船株式会社の江南造船所で進水、命名式が行われました。福建はアメリカ海軍のニミッツ級、ジェ[…]
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