デンマークのF-16はアルゼンチンへ!ウクライナへの供与は無くなったのか

デンマークのF-16はアルゼンチンへ!ウクライナへの供与は無くなったのか
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アメリカ政府はデンマーク空軍が保有するF-16戦闘機38機のアルゼンチンへの売却を承認する意向であることが分かりました。デンマークが保有するF-16は当初、ウクライナに供与されると推測されていました。

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アメリカ政府は重要な外交・軍事戦略の一環としてデンマーク空軍が保有する米国製F-16戦闘機をアルゼンチンに売却する事を承認する意向であることが分かりました。アルゼンチン空軍は2015年にフランス製のミラージュIII戦闘機が退役。これにより、空軍の戦闘機、超音速機は”0”に。その後は1950年代に開発されたアメリカ製のA-4ARファイティングホーク攻撃機に依存していましたが、なにぶん古い機体のため、運用効率が悪く、後継の機体を探していました。これまで、フランスのミラージュ、スウェーデンのグリペン、イスラエルのクフィル、韓国のFA-50、中国とパキスタンのJF-17などが候補に上がっていましたが、どれも購入に至りませんでした。アルゼンチンは1982年のイギリスとのフォークランド紛争をきっかけとした経済制裁でイギリスの技術が含まれている兵器の購入が不可能になっています。特に射出座席はイギリスのメーカーが世界シェアの過半数を握っており、足枷になっています。更に長年続く経済危機で軍の予算は縮小され、資金にも余裕がありませんでした。そこで、目を付けたのがアメリカの対外有償軍事援助です。ある程度、アメリカの条件に一方的に従う事にはなりますが、米国製の高度な軍事兵器を入手でき、物によっては割安で購入できます。欧米では第5世代戦闘機F-35の配備に伴い、第4世代戦闘機F-16が多数退役することもあり、アルゼンチンはF-16の購入をアメリカに求めます。

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南米は反米左派が対等、中国が急接近しており、JF-17は安価で射出座席さえ変更すれば購入が可能でした。そういった事情もあり、アメリカはアルゼンチンへのF-16の売却を前向きに検討します。

アルゼンチンへはデンマーク空軍が保有するF-16の単座型30機、複座型8機の計38機が売却される予定です。デンマークは現在、43機のF-16を保有しているのでそのほとんどをアルゼンチンに売却することになります。この他、ノルウェーが保有している対潜哨戒P-3の購入も検討しています。

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ウクライナのF-16はどうなる

デンマークはウクライナに供与するために予定より2年早くF-16を退役させる
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ここで気になるのがウクライナへのF-16の供与です。デンマークはウクライナ人パイロットへのF-16操縦訓練施設がある場所です。さらにデンマーク空軍は今年、F-16の全機退役予定を2027年から2025年に前倒ししています。これは当初、ウクライナにF-16を提供するためだと言われていました。しかし、アルゼンチンに38機を売却すれば残るのは5機のみです。ウクライナ空軍は二個飛行隊分のF-16部隊を編制する計画なので、少なくとも20機以上は必要です。アルゼンチンへF-16が売却されればデンマークからウクライナへのF-16の提供は無いかもしれません。ただ、オランダやノルウェー、ベルギーなどが余剰なF-16を保有、1000機近いF-16を保有するアメリカ空軍では毎年数十機が退役しています。

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Source

https://www.airdatanews.com/us-close-to-authorizing-sale-of-f-16-fighter-jets-to-argentina-report/

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