とあるロシア軍兵士の戦死情報から、ロシア軍の最強の盾であるS-400防空ミサイルの破壊が明らかになった。
ウクライナのジャーナリストであるYuriy Butusovはロシアメディアの情報としてロシア軍のAndriy Grakov中尉が戦死したことを確認した。彼はS-400防空システムのクルーの一人で多機能レーダーのオペレーターだった。記事によれば戦闘待機中に攻撃を受け、他のクルーを含め全員が戦死したそうだ。このS-400 はウクライナ南部のへルソンで防空任務にあたっていたとのこと。
ウクライナ軍は9月にへルソンにあった2基のS-400を破壊したことを発表していた。しかし、武器の性質上、前線には配備されないので、画像や映像で破壊を確認するのは難しく、破壊を裏付ける情報は何もなかった。また、最大射程400kmを誇るS-400は地上攻撃の危険があるへルソンに配備せずともクリミアからでも十分を効力を発揮することから、へルソンに配備されていたことさえ疑われ、南部で攻勢を強めるウクライナの誇張した戦果報告という見方が強かった。しかし、今回はロシア側の情報をもとにしており、記事では彼がS-400のクルーだったことも明言している。彼の戦死時期は分からないが、9月のS-400の破壊を裏付ける情報になるかもしれない。だとすればS-400の破壊確認としては初になる。
S-400とは
S-400は1970年代に開発されたS-300の後継として1990年代に開発、2007年から配備が始まった防空ミサイルシステム。現在、後継のS-500が開発されているが、量産が進んでおらず、実質S-400はロシア軍が配備する最新鋭の長距離防空システムになる。最大400km先、高度30kmの標的を撃墜でき、レーダーは600km先の空中標的を検知する。長距離防空ミサイルシステムとしては最強と謳われ、航空機、巡航および弾道ミサイル、更に迎撃が難しいとされる極超音速兵器も迎撃できるとされ、地上標的にも有効だ。インドやNATOの反対を押し切ってトルコが採用したくらいだ。だが、今回のS-400の破壊はHIMARSのロケット、若しくは対レーダーミサイルのAGM-88ではないかとされており、本来S-400が迎撃すべき対象だ。ウクライナはHIMARSを受領してからロシアの軍事拠点を攻撃し続けている。ロシア軍はこれを防ぐべく、S-400を使用してきたが、目に見える効果がなく、ウクライナはS-400はHIMARSのロケットを迎撃することはできないとうたっていたが、それが証明されたことになる。
Source
https://www.facebook.com/photo/?fbid=8412157465491142&set=pcb.8412303158809906