4月3日早朝に台湾沖で発生した大地震。この地震の影響で台湾空軍(中華民国空軍)の戦闘機8機が損傷していて事が分かった。
4月3日早朝に発生したマグニチュード7.2の大地震は台湾北部の東海岸に甚大な被害をもたらした。被害が大きかった台湾花蓮県新城郷にある花蓮空軍基地にも大きな揺れが襲い、台湾空軍は、この地震により、同基地に駐機してあった戦闘機8機が損傷したと報告した。同基地は第5戦術複合航空団が拠点としており、6機のF-16V戦闘機と2機のF-5戦闘機が損傷した。ただ、損傷は幸い、搭乗用梯子によってもたらされた軽度なもので、修復も簡単で時間もかからないとされ、戦闘機の戦闘準備には影響しないと述べている。
4月3日の津波警報に伴い那覇基地では
— 航空自衛隊那覇基地 (@Naha_AirBase) April 5, 2024
先島方面の被害状況確認のためスクランブル発進を行い、同時に装備品を守るためF-15戦闘機や車両などを海抜の高い場所へ退避させました。
我々は常に不測の事態に対処すべく
このような装備品の保全を行うと共に
南西域を防衛しています。#航空自衛隊 pic.twitter.com/8j9I6ayevw
今回の地震では日本の南西諸島地域、沖縄本島に津波警報が発せされた。海岸に面し、海抜が低い那覇空港と滑走路を共有している航空自衛隊那覇基地は津波警報に伴い、周辺海域の状況確認のため、F-15J戦闘機をスクランブル発進させるともに、津波からの装備品の被害を避けるため、基地内の海抜の高いところにF-15Jや車両と主要装備を退避させる様子を写真で公開している。
2011年3月11日の東日本大震災では宮城県松島にある航空自衛隊松島基地が津波に襲われ、駐機していったF-2戦闘機など全18機が水没している。その内5機は海水による腐食などで修理不可能な状態に、13機は修復に回されたが、修理し、現場に復帰するまで5年以上を擁している。そういった経験から、自衛隊では津波対処訓練を定期的に実施しており、那覇基地でも津波を想定した装備、機材の避難訓練は行われていた。航空自衛隊の広報官は「平時の避難訓練のおかげで、15~20分かけて戦闘機12機を避難できた」と述べた。国内でライセンス生産されたF-15Jの1機あたりの調達価格は100億円前後と言われている。