フランスはウクライナへの追加軍事支援としてArmement Air-Sol Modulaire(AASM)ハンマー誘導爆弾(PGM)を供与することを明らかにした。
フランスのマクロン大統領は1月16日火曜、数百発の爆弾と追加のスカルプEG巡航ミサイル40発をウクライナに供給すると発表した。この時、マクロン大統領は爆弾が何を指すのかは示さなかったが、フランス政府はその後、フランス空軍が1,800発近くを備蓄しているAASM精密誘導弾(PGM)を指すものであることを述べた。18日木曜にはフランス国防大臣セバスチャン・ルコルニュがフランスメディアの取材に対し、ウクライナに月50発のAASMを提供することを表明。最初の50発は今月末に供与される。
AASM PGM
AASMはフランスのサフラン社が開発したモジュール式の誘導キットを装着した精密誘導爆弾。標準的な無誘導航空爆弾にこの誘導キットを装着することで精密誘導爆弾に換装できる。仕組み的にはアメリカ製のJDAM精密誘導爆弾と一緒だ。AASMは慣性およびGPS誘導のSBU-38、 慣性/GPSおよびレーザー誘導のSBU-54、慣性/GPSおよび赤外線誘導のSBU-64の3つのバージョンが提供されており、誘導キットは125/250/500/1000kgの4つ無誘導爆弾に対応している。AASMは全天候型で昼夜問わず使用が可能。射程は高高度からの投下で最大射程は70km以上とスタンドオフ空爆が可能。低高度でも15kmの射程を有する。既にウクライナ空軍に供与されているJDAMの標準最大射程が24kmなので、AASMはその倍以上の射程があることになる。ちなみにウクライナ軍には最大射程60km超えのJDAM-ERも供与されている。
フランス空軍での導入は2007年からで、2008年、アフガニスタンでフランス製のラファール戦闘機に搭載され初めて実戦使用された。この他、ミラージュF1にも搭載できるが、ウクライナにはラファールはもちろん、フランス製の航空機は供与されていないが、供与にあたり、ウクライナ空軍が保有するソ連製戦闘機で使用できるよう調整が行われているとのこと。機種名は明かされていないが既に供与されているJDAMはMig-29、Su-27の両戦闘機で使用されているので、おそらくAASMも同機で運用されると思われる。1800発ある備蓄を毎月50発、期間は1年間とされ最大600発がウクライナに供与される。
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