ドイツはイスラエルのために新しくダカール級潜水艦を設計します

ドイツはイスラエルのために新しいダカール級潜水艦を設計します
ダカール級潜水艦レンダリング(image TKMS)

ドイツの造船企業”ティッセンクルップ海洋システムズ”(Tthyssenkrupp Marine Systems:TKMS)は1月20日、イスラエル国防省とダカール級潜水艦3隻の購入・建造の枠組み条件について合意に達し、契約に署名したことを発表しました。

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イスラエル海軍のために開発される潜水艦

外国に兵器を販売する際は既に国内で開発運用されているもの、若しくは既存兵器をベースに相手国の要件に合わせて輸出用にカスタマイズされたものが納入されますが、ダカール級潜水艦は今のドイツ海軍にもないタイプの潜水艦になり、完全に新しい設計で、イスラエル海軍の運用要件を満たすように特別に設計されます。

ダカールは非原子力の通常動力型潜水艦です。それ以外の詳細なスペックは公表されていませんが、TKMSは革新的で最先端の技術の搭載を予定していると表明。そのことから水素燃料電池ベースの非大気依存推進(AIP)、そして、TKMSが開発した兵装モジュールVMPL(Vertical Multi-Purpose Lock)が搭載されると推測されます。VMPLは水中ビークル、垂直ミサイル発射システム(VLS)、特殊部隊ダイバー用のエアロックチャンバーの搭載に対応しています。

ドルフィン級よりもさらに大きく

ドルフィン級潜水艦
ドルフィン級潜水艦(Photo IDF Navy)

イスラエル海軍では現在、ドイツの209型潜水艦ベースに開発されたドイツ製のドルフィン級潜水艦の初期型ドルフィン1級3隻と後期型の2級3隻(2027年に更に3隻追加予定)の計6隻を運用していますが、ドルフィン2級は209級型の全長64.6mよりも大きい68.6m、基準排水量も2トンを超えます。ダカール級はこれを凌ぐ大きさになると推測され、ドイツ海軍とノルウェー海軍向けに開発させる次世代潜水艦U212CD型潜水艦の全長約73m、幅約10m、全高約13m、排水量は約2500tと同等、またはそれ以上となると推測されています。

ドルフィン級では533mm魚雷発射管6基に加え、弾道・巡航ミサイル発射用と思われる4基の650mm魚雷発射管を搭載していますが、ダカールではこれがVLSに置き換わると思われ、少なくともドルフィン級より2.4〜4m全長が長くなります。VLSにより、ミサイルの運用能力は向上され、極超音速ミサイルの発射も可能になると思われます。イスラエルは核保有国になりますが、核武装を公式に認めていないこともあり、ドイツ製の潜水艦に核ミサイルが搭載される可能性は低いと思われます。

この3隻の契約総額は31億ユーロにも上りますが、関連する機器、スペアパーツ、訓練のための近代的な訓練施設のイスラエルでの建設と後方支援が含まれたパッケージになり、更にドイツはイスラエルの防衛企業から8億5,000万ドルの機器を購入する義務も含まれる相互補償の契約になります。ダカール級潜水艦は2030年初頭までにイスラエルに納入され、それに伴い、その頃には運用30年を迎えるドルフィン1級の3隻が退役する予定です。

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Source

https://www.thyssenkrupp-marinesystems.com/en/newsroom/press-releases/press-detail-page/israel-orders-three-new-submarines-from-thyssenkrupp-marine-systems-126356
https://www.navalnews.com/naval-news/2022/01/israels-submarine-secret-new-dolphin-class-boat-could-have-vls/

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