HIMARSロケット弾に誘導装置RIG-360搭載!移動標的への攻撃が可能に

HIMARSロケット弾に誘導装置RIG-360搭載!移動標的への攻撃が可能に
© 2023 Lockheed Martin Corporation.

高機動ロケットシステムHIMARSを開発製造するロッキード・マーティン社はHIMARSで使用するロケット弾GMLRSに「リモート迎撃ガイダンス-360(RIG-360)」を連携させることを発表した。これにより、HIMARSは近い将来、移動標的に対しても攻撃が可能になる。

ロッキード・マーティン社は11日、ミサイル通信試作機RIG-360が、誘導多連装ロケットシステム (GMLRS)が飛行中に目標情報を更新する概念実証に初めて成功したと発表した。RIG-360をGMLRSに統合することで、飛行中に目標の更新情報を受信して​​、再配置された目標や移動目標を正確に攻撃できるようになる。

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RIG-360とは

ロシアの防空システムではM142 HIMARSとM270 MLRSを撃墜するのは不可能

HIMARSの攻撃対象はあくまで静止、または低速で移動する標的に限らている。GPS誘導機能を備え精密攻撃可能なGMLRSロケット弾でも同様で、数十キロというスピードで走行する戦車といった移動目標を狙うことはできない。しかし、RIG-360はHIMARSに変革をもたらす。この新しいシステムは、単に機能を強化するだけではなく、HIMARSの運用範囲を拡大し、柔軟で機敏で費用対効果の高い精密火力支援を得ることができる。

RIG-360(Remote Interceptor Guidanc-360)はもともと「パトリオットミサイル PAC-3」のミサイルのエンゲージメント能力を高めるために開発された「ミサイル通信装置」でデータリンク機能を搭載している。360というのは飛行中360度の通信を提供するという意味だ。これにより、Rig-360を搭載したミサイル/ロケット弾は発射後も様々なレーダー/センサーから送られてくる標的データをリアルタイムで更新することができ、標的が移動していても、他のセンサーが、標的を捉えていれば、情報は常に更新され、最新データをもとに誘導される。

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ミサイルやロケット弾といった地上砲兵兵器の誘導方法というとレーザー誘導が主だが、レーザー照射するにはどうしても歩兵が標的数キロメートルまで近づかなければならず、危険にさらすことになる。そもそも、射程90kmを誇るHIMARSでレーザー誘導はあまりメリットがない。Rig-360を搭載できれば、90kmの範囲で移動する標的を精密攻撃できる。また、最近の戦場ではGPS妨害が一般的になりつつあり、GPSだけに頼る誘導方法には限界がある。

既にパトリオットミサイルでのデータリンクは成功しており、HIMARSロケット弾でのテストは2024年を予定している。

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Source

https://news.lockheedmartin.com/2023-10-11-lockheed-martin-advances-joint-fires-concept-with-captive-carry-test

https://news.lockheedmartin.com/pac-3-intercepts-target-in-successful-test-of-lockheed-martin-remote-interceptor-guidance-RIG-360-Capability

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