アメリカ陸軍は、精鋭部隊である第82空挺師団第1旅団戦闘チームの約2,000人の兵士に次世代統合頭部保護システム(NG-IHPS)の配備を開始しました。次世代ヘルメットは頭部と聴覚保護が向上、暗視ゴーグルや双眼鏡を装備することができます。
米陸軍は12日、第82空挺師団第 1 旅団戦闘チームの約2,000 人の兵士に次世代統合頭部保護システム(Next-Generation Integrated Head Protection System : NG-IHPS)を配備し、兵士の保護強化における重要なのマイルストーンを達成したことを発表しました。
NG-IHPSは、これまで装備されていた統合頭部保護システム、アドバンスト・コンバットヘルメット(ACH)、エンハンスド・コンバットヘルメット(ECH)に代わる、米陸軍の最新の戦闘ヘルメットです。戦闘に対応したNG-IHPSは、保持システム、サスペンションシステム、ヘルメットカバー、および下顎プロテクター、聴覚保護、コミュニケーション、および統合視覚拡張システムやナイトビジョンゴーグル、双眼鏡のようなヘッドアップディスプレイを統合できるナイトビジョンデバイスブラケットで構成されています。
「NG-IHPSは戦場の脅威から兵士をより保護することができ、兵士用保護具にとって大きな進歩です。この革新的なヘルメットデザインは、現在および将来の兵士用デバイスと統合するためのプラットフォームです」 と、兵士用保護具の製品マネージャーであるKen Elgort中佐は述べています。
一見したところ、以前のIHPSモデルとほぼ同じですが、保護の基本レベルが向上したため、重量は重くなっています。2018年から2022年に納入された前モデルは、破片、衝撃(ストックなどによる)、およびピストル弾からのみ保護しますが、新しいNG-IHPSは保護レベルを高めるために追加のカバーセットが開発されました。ヘルメットの重量は1kg以上増加しましたが、5.45~5.56mmのカートリッジを使用した弾丸から頭部を保護します。旧モデルのIHPSはアラミド繊維で作られていましたが、新しいモデルはポリエチレンで作られています。この素材は、ヘルメットのパンクによる影響をより保護するだけでなく、打撃時にヘルメットに伝わるエネルギーを分散します。次世代の暗視装置のインターフェイスに対応しており、下顎プロテクターは保護力を高めるため前面に取り付けられ、装着した状態で保護力6%向上します。
頭部保護チームのリードエンジニアであるAlex de Groot氏によると、 「ボルトレスの保持システムと暗視装置ブラケットは、ヘルメットの構造的な完全性を損なうことなく取り付けられるため、保護性が向上します。」 と述べました。
兵士計画管理局空挺調達チーム(PEO)は、今四半期に第82空挺師団の第2旅団と第3旅団の戦闘チームにNG-IHPSを装備し、2028年までに第101空挺師団と第10山岳師団といった、すべての近接戦闘部隊への守備を完了させる計画を立ています。