イラン海軍が米軍の無人水上艇を拿捕、米海軍第5艦隊が奪い返す

イラン海軍はイエメン沖の紅海でアメリカ海軍の無人水上艇「Saildrone Explorer(セイルドローン エクスプローラー)」を拿捕したが、米海軍第5艦隊の警告により、これを直ぐに開放した。

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イラン国営テレビによればイラン海軍フリゲート艦ジャマランは1日木曜、紅海を航行する二隻のSaildrone Explorerが航行を妨げているとして、米海軍に警告を発した後、事故を防ぐためとして2隻ほ拿捕。その後、安全な場所で二隻を開放したとというのがイラン側の発表だ。しかし、当初、この拿捕についてイラン側は当初、認めておらず、無人水上艇が所属する米海軍第5艦隊は2隻が拿捕されたことが分かるとサイクロン級哨戒艇を向かわせ、MH-60S シーホーク ヘリコプターを離陸させ、更にミサイル艦2隻を同海域に向かわせた。4時間の追跡の末、翌日の2日金曜にイランが解放というのが米海軍の発表だ。

米海軍によれば、イランはExplorerを航行の安全ではなく、それを鹵獲、押収して、コピーするのが狙いだっと発表している。実際、拿捕後、2隻をシートで覆い隠したことも確認されている。実はこの数日前にもイランのイスラム革命防衛隊がExplorerを鹵獲して曳航するのを確認。ヘリコプターによって追跡を行い、船は解放された。

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アラビア湾と紅海をパトロールするSaildrone Explorer

24時間365日稼働する米海軍の無人セールドローン「エクスプローラー」
US Navy

Saildrone Explorerは今年の1月にアラビア湾(ペルシャ湾)で運用が始まった無人水上艇(USV)になる。これはイランとの対立が続くこの地域でのイニシアチブをとることが目的で、同地域に展開する第5艦隊に編入された。同湾は周辺に産油国を抱える石油資源の世界的な供給地で、多くのタンカーが行き来しているが、湾を挟んで向かいにあるイランとアメリカ・湾岸諸国は火種を抱えており、最近ではタンカーの襲撃が相次いたため、安全な航行のためのパトロールを行うために配備された。

Explorerは自然エネルギーである風を推進力とし、必要な電力はソーラーパネルで確保。無補給で24時間365日航行が可能。AIが搭載され、自律航行を行い、海軍の声明によれば、他の船の航海の邪魔をすることない。搭載されたセンサーやソナー、カメラで24時間休みなしで監視を行う。米軍にとっては人手がかからないありがたい兵器だが、四六時中監視を続けるExplorerはイラン側にとっては厄介極まりない船であったことは確かだろう。

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無人で海洋を航行させておけば、今回のように拿捕されたり、故障して制御不能に陥ることも想定されるが、Explorerはもともと民間用に開発されたもので、例え、敵に奪取されても軍事機密が漏れることはない。

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Source

https://www.reuters.com/world/iran-says-it-briefly-seizes-unmanned-us-drones-red-sea-2022-09-02/

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イラン海軍が米軍の無人水上艇を拿捕、米海軍第5艦隊が奪い返す
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