ロッキードマーティンが米軍用の新しい空中給油タンカーLMXTの開発を発表

ロッキードマーティンが新しい空中給油タンカーLMXTを開発
Photo .lockheedmartin

アメリカの航空宇宙企業ロッキード・マーティンは17日、新しい空中給油機「LMXT」の詳細を発表しました。

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アメリカ空軍は「KC-X」「KC-Y」「KC-Z」と3段階の空中給油機プログラムが進行しており、LMXTは「KC-Y」のために開発される機体で、古くなったKC-10 エクステンダーの代替えと、既に配備が進んでいる 「KC-X」の機体を補完、KC-XとKC-Zの世代間のギャップを埋めるための機体です(KC-Zは無人給油機のMQ-25になります)。 KC-Xではアメリカのボーイング社の767型機をベースにしたKC-46が採用されましたが、ロッキードが提案する LMXTはヨーロッパのエアバス社のA330 MRTTをベースにした機体になります。同機体はイギリス、フランスといったNATO諸国やオーストラリア軍、韓国軍など13の空軍で実績ある空中給油機になり、 既に25万時間の飛行実績がある信頼できる航空機になります。これを米空軍、米海軍、米海兵隊の運用要件を満たすように独自カスタマイズを行います。

LMXTは米国の同盟国で実績があることからアメリカ軍が運用するほぼ全ての戦闘機、輸送機、および海上哨戒機に燃料を補給することが既に実証されています。航続距離は向上され、マッハ0.81の飛行速度、着陸せずに19.5時間空中にとどまることができるように設計され、燃料の搭載量も増加されます。給油システムにはKC-46でも採用されているフライ・バイ・ワイヤ方式のブームを採用。そして、2020年4月にA330 MRTTが世界で初めて実証に成功した全自動空対空給油システム(A3R)も提案に盛り込まれています。更に米軍のオープンシステム全領域統合指揮・統制システム ”JADC2 ”を搭載。戦闘環境で運用済のカメラとビジョンシステム、機体の状況認識システム、相互データリンクなど現代の戦場に不可欠な高度なデジタルシステムも搭載されます。

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KC-Xで採択され、2018年から運用が始まったKC-46は179機が発注されており、2027年までに全機の生産を終了します。その後にKC-Yの機体が年間12~15機ペースで生産されます。 KC-Yの入札にはKC-46も参加する予定であり、実はKC-Xの時には一度採択されたA330 MRTTの決定がボーイング社によって覆されたという因縁があります。

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Source
https://news.lockheedmartin.com/2021-09-17-Introducing-the-LMXT-Americas-Next-Strategic-Tanker

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