空軍や航空自衛隊のパイロット達は自分の本名以外に部隊内で通用する別の名前”コールサイン”または”TAC(Tactical)ネーム”を持っている。米空軍で最初に戦闘飛行したF-35初の女性パイロットのコールサインはなんと日本語の「万歳(バンザイ)」だった。
女性初の戦闘飛行
6月10日の米空軍のプレスリリースによるとU.S.第421遠征戦闘機飛行隊のパイロットであるエミリー・トンプソン空軍大尉ことコールサイン”Banzai”はアラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地でF-35 AライトニングIIジョイントストライクファイター(写真上)に搭乗し、同機で初めて戦闘飛行を行った女性パイロットになった。出撃は2020年6月初旬に行われたが「作戦上の安全のため」の出撃の詳細は明らかにされていない。
彼女は大学卒業後、F-16ファイティングファルコン(写真上)でキャリアを始めた彼女は1年半の訓練の後にF-35Aのパイロットになり、今回の出撃が初の戦闘出撃でもあった。出撃の際は女性の整備班によって送り出された。
彼女はリリースの中で以下のように述べている。
「これは私の最初の出撃です…したがって、私にとってそれはかなり大きなことでした。もちろん、最初の女性であることはとても名誉なことです。私の前には既にたくさんの女性パイロットが他のプラットフォーム、戦闘機を操縦しています。ですから、その名誉の一つを得る人になるということは、大きな意味を持ちます。」
なんで「バンザイ」?
ここで、疑問に思うのはなぜ?コールサインが「バンザイ」なのか?軍でのバンザイと聞くと、我々日本人は旧日本軍の「バンザイ突撃」を思い起こしてしまうが、もちろん、それが由来でないだろう。パイロットのコールサインの由来は様々だ。米軍のほとんどのコールサインは、パイロットの名や姓の変化形を示しているといわれるが”エミリー・トンプソン(Emily Thompson)”という名前に”Banzai”の要素は見当たらない。他にもパーソナリティ特性、ミドルネーム、歴史上の人物への言及、パイロットのキャリアにおける過去の功績などがあるという。
トンプソンさんはリリースの中での子ども時代の夢は「獣医と警察官」と語っており、「そこから現実的な夢が生まれ、私はエンジニアになりたかった。私は航空宇宙エンジニアになるために大学に行きました。それから私はパイロットのことを知りました飛行機を作る代わりに飛ぶことを目指しました」と述べているが、そこからもバンザイのコールサインの由来は見受けられない。コールサインの由来についてはリリースの中でも言及されていない。
なぜ、バンザイにしたのか、非常に気になるところだ。