なぜ歌いながら行進する?ミリタリーケイデンス

フルメタル・ジャケット

映画で兵士が歌いながら行進、ランニングする様子を見たことがないでしょうか?あれはミリタリーケイデンスと呼ばれるもので、新兵訓練、基礎訓練で見受けられるものです。なぜ、歌いながら行進、ランニングするのでしょうか?

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ミリタリーケイデンスとは?

なぜ歌いながら行進する?ミリタリーケイデンス

”ケイデンス(cadence)”は「歩調、足拍子」の意味で、ミリタリーケイデンス(Military cadence)は「軍の歩調」「訓練歌」を表し、Work Song(労働歌)とも呼ばれます。訓練で行進、ランニングの最中に先唱役の訓練教官軍曹が歌の歌詞の1フレーズを先に歌い、他の兵士全員がリズムを合わせて応答する形で教官の歌詞を繰り返し歌います。

ミリタリーケイデンスの歴史

パトリオット

音楽に合わせて歩調を合わせて行進するミリタリーケイデンスが始まったのは1700年代の後半からとされています。この時の戦場の戦い方は隊が一列に並び、隊形を維持しながら進んでいく「戦列歩兵」という戦術が一般的でした。陣形を維持するには歩兵全員の歩調を合わせる必要があり、音楽を奏でて歩くリズムを合わせていました。リズムを奏でるためだけに隊列の中には武器を持たず楽器をもった音楽隊がいました。しかし、この時は兵士は歌っておらず、あくまで音楽だけです。

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歌い始めたのは1944年から

現在のように訓練で兵士が歌うようになったのは第二次世界大戦時の1944年のアメリカです。この史上最大の戦争では多くの若者が戦場に動員されました。正規兵では事足りず、多くの志願兵と徴兵によって投入されています。米陸軍の黒人兵士ウィリー・ダックワース兵長は夜、長く退屈な行進の訓練から戻ってくる最中に疲れた仲間の兵士を奮い立たせようと歌を口ずさみます。するとどうでしょう、その歌のリズムが200人の隊員全体に広がっていきます。​疲れ果てていた兵士たちは、歌声が高まるにつれ、歩調を整え、顔を上げ、足取りはかろやかになり、楽しそうな笑顔を浮かべて行進し始めました。​この変化は、ダックワースの歌の始まりとともに起こりました。これを見たダックワースは臨時訓練センターの教官の助けを借りて、行進のリズムに合わせて使える一連の詩とコーラスを作曲します。この時、作られた曲は『Sound off』または『Duckworth Chant(ダックワースチャント)』と呼ばれています。

これをきっかけに多くの歌が作られ、歌いながら行進するミリタリーケイデンスが全部隊に広まっていきます。

歌う意味

歌う目的は、前述に記載したように、部隊の士気が上げる目的があり、数キロメートル行進する兵士の士気に火を付け、何キロも行進、ランニングしていることを忘れさせ、訓練をやり遂げることを助けます。歌う事は肺から二酸化炭素を排出するのに役立ち、持久力を得ることができ、呼吸が制御されるほど、より多くの酸素を体に届けることができます。また合唱することで歩調が合わさり、部隊のチームワークと、規律が高まる効果があります。部隊によって歌、歌詞は異なり、内容によって士気の高まりも変わってくるようです。特にベトナム戦争など有事の時は敵を蔑む、差別的な歌詞を歌う事もあったようです。

陸上自衛隊でもミリタリーケイデンスはありますが、歌というよりは掛け声ですね。部活のランニングでも使うような掛け声です。

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