北朝鮮は古いソ連製戦闘機を無人機化し、特攻機に変える

北朝鮮は古いソ連製戦闘機を無人機化し、特攻機に変える
USAF

北朝鮮は古いソ連製の戦闘機を特攻機・自爆ドローンとして活用するために無人機化する近代化改修を開始したと韓国メディアのコリア・タイムズが報じた。

報道によれば北朝鮮が数百機の旧式戦闘機を自爆ドローンにリサイクルする軍事近代化プログラムを開始、「北朝鮮はソ連製の戦闘機を精密誘導兵器に変える無人特攻機に改良しようとしている」と元国家情報院(NIS)のチェ・スリョン氏は語り、「これらの自爆ドローンは、韓国の主要な産業施設やインフラ施設を攻撃するために使用されるでしょう。」と述べた。チェ氏は2011年に国家情報院を退職するまで、20年間にわたり諜報員として勤務していた。

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900機以上の戦闘機を保有、そのほとんどが旧モデル

衛星画像を用いて分析。北朝鮮空軍は500機以上の戦闘機を保持している

アメリカ国防情報局は北朝鮮が900機以上の戦闘機を保有していると分析しているが、これには開きがあり、イギリスの国際戦略研究所(IISS)は500機以上と分析、韓国は400機以上と分析している。

そのほとんどは旧ソ連製のMigシリーズやそれをコピーした中国製の機体になる。もっとも古い機体がMiG-15になり、これは1947年に初飛行した機体で北朝鮮には1950年代に導入、朝鮮戦争で使用された機体だ。延べ15,000機以上生産され、世界中で使用された機体も初飛行から70年以上が経ち、ほぼ全てが退役。現役で運用しているのは北朝鮮軍だけになり、現役の戦闘機としては世界で最も古いモデルだ。Mig‐15とほぼ同時期に開発されたMig-17、及び、その中国版である瀋陽J-5、そして、1955年にソ連で就役したMiG-19、その中国版である瀋陽J-6も現役で稼働しているという情報もある。

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米国国防情報局は400機以上のMig-15を保有している分析。韓国の国防アナリストは107機のMiG-17、100機のMiG-19、150機のMig-21、56機のMig-23、18機のMig-29と計431機のミグ戦闘機を保有していると分析している。 この中で最も新しい機体が1970年代にソ連で開発された第4世代戦闘機のMig-29になり、ウクライナ空軍でも主力戦闘機している。その次に1960年代に開発された可変翼を備えたMig-23になる。現状、戦闘機として戦力になるのはこの2つのタイプしかない。Mig-23もかろうじてといったところだ。それ以外の戦闘機は旧式すぎて、出撃しても的になるだけであり、そもそも、故障、損傷しても修理するためのパーツはなく、北朝鮮軍に数百機の戦闘機を運用できるような燃料、インフラ、人材もいない。ほとんどの機体が飛行できない状態だ。

かといって、これを処分するわけにもいかないのが北朝鮮の実情だ。数百機の戦闘機を持っているという事実が、韓国及び周辺国に対し、威嚇になると考えている。とはいえ、周辺国は旧式で稼働できない実情は把握しており、脅威とはそこまで感じていないだろう。しかし、それが、自爆ドローン、特攻機となってくると話は別だ。音速で飛行する戦闘機が数十機群れを成して突っ込んでくるのは脅威だ。一応、遠隔操作可能な誘導精密兵器として改良されるとの情報だが、北朝鮮の技術でどこまで改修できるのかは微妙だ。遠隔操作はできないとしても最初から目標地点を定めて発射する弾道ミサイル的な使い方は可能と思われる。

北朝鮮は2022年12月、5機の無人機を韓国の領空に侵入させ、5時間にわたって飛行。1機はソウルに到達している。韓国軍は5機全てを取り逃がしており、少なくとも1機は北朝鮮領内に帰還している。北朝鮮はこの成功に味をしめたのか、無人機の開発を活発化させている。

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Source

https://www.koreatimes.co.kr/www/nation/2023/09/113_357697.html

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