11月11日は戦没者追悼・退役軍人記念日

11月11日は何の日か分かりますか?日本では「ポッキーの日」として有名ですが、この日は多くの国が、戦没者追悼記念日・退役軍人記念日として記念日・祝日に設定しています。この日に何があったのでしょう。

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第一次世界大戦の休戦記念日

1914年7月、オーストリア=ハンガリー帝国の帝位継承者フランツ・フェルディナント大公が暗殺された事をきっかけにドイツ、オーストリア、オスマン帝国(現トルコ)などが率いる中央同盟国とイギリス、フランス、ロシアなどが率いる連合国の間でヨーロッパ全体を巻き込む第一次世界大戦が勃発します。戦火はその後、ヨーロッパだけではなく、米国、日本、中国なども巻き込み、世界規模の戦争に発展。その後、中央同盟国は劣勢となり、ドイツの敗北が近くなると1918年11月11日に休戦協定が締結され、ドイツが降伏、四年にも及んだ第一次世界大戦は終戦します。

この4年間で主にヨーロッパで約1,000万人が死亡し、2,000万人が死傷しました。これはそれまで幾度となく人類史で行われた戦争被害者の数を大幅に凌駕し、第二次世界大戦が始まるまで、史上最大の被害を出した戦争でした。

休戦記念から戦没者追悼記念日に

この稀に見る被害を出した戦争の勝利と反省、後世に伝え、そして、戦没者を追悼するために第一次世界大戦に参加したヨーロッパの国々では11月11日を休戦記念日に制定し、祝日とします。終戦から100年以上経った今では、戦没者追悼記念日として、第一次大戦という枠にとどまることなく、第一次大戦以降に国のために戦った戦没兵士を追悼する日となっています。フランスではドイツ降伏と第一次世界大戦終結を記念する「休戦記念日(Armistice 1918)」としていますが、追悼は第一次大戦以降の戦没兵士を含んでいます。イギリス、カナダなどのイギリス連邦では”記憶”を意味する「リメンバランスデー(Remembrance Day)」として同じく第一次大戦以降の戦没者を追悼しています。

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アメリカでは退役軍人の日

アメリカでも当初は11月11日を休戦記念日としていましたが、第一次大戦のアメリカの関与は薄く、その後の第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争と大きな戦争を三度経験。第一次大戦よりもこちらの方が直接的に関わり、被害が大きかったことから、休戦記念日としての意義が薄れていきます。そこで第一次大戦の戦没者だけでなく、米国が関わった戦争の退役(復員)軍人を祝う日として1954年に「退役軍人の日(Veterans Day:ベテランズ・デイ)」として制定されます。他の国と違うのは、生死に関わらず、軍務に服した者、存命の退役軍人に対しても感謝する日でもあることです。米国では別に5月の最終月曜日に「戦没将兵追悼記念日」が設けられています。

ちなみに日本における第一次世界大戦の戦死者数は415人とされていますが、11月11日に関連した追悼などは無いようです。

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11月11日は戦没者追悼・退役軍人記念日
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