陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍、沿岸警備隊の序列

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米軍の宇宙軍を題材にしたネットフリックスのオリジナルドラマ『スペースフォース』の中で陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍、沿岸警備隊の米軍六軍の大将が集まって、会議する場面がある。

ここで新設された宇宙軍のネアード大将に大統領命令により2024年までに空軍と協力して月面に基地を作ることを命じられる。しかし、空軍のキック大将は「宇宙は空の一部だ。だからネアードは私の部下になってもらう」と発言、それに対し海軍大将が「宇宙に空気はない」と反論。それに対しキックは「水も無いから黙ってろ!」と言う。すると今度は陸軍大将が「空軍はもともと陸軍の一部だ!どちらも黙れ!!」と制す。水陸両用の海兵隊大将は「空気も水もないなら宇宙とは何か?」と投げかける。沿岸警備隊大将は宇宙軍が誕生したことで「これで沿岸警備隊は一番下じゃないと」と喜ぶが、「お前が一番下だと」と言われ、これには他の全ての大将が同意する。

これを見て軍同士でも序列があるんだと思った次第だ。実際、序列はどうなっているんだろう?

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最も歴史の長い陸軍

米陸軍はアメリカ独立戦争のためにアメリカ合衆国建国の前の1775年6月に設立され、米軍六軍の中で最も歴史が長い。陸軍は基本的に自国を守るための軍であり、他国でも最も歴史が長いのは大抵陸軍だ。旧日本軍においても最初の軍として1871年に陸軍が創設された。このように歴史的側面をみると米陸軍が一番の年長者だ。しかし、米海軍は同年10月、米海兵隊は同年11月に誕生しており、あまり差はない。学年で見ればこの三軍は一緒だ。

空軍は陸軍から誕生した

空軍の創設は意外にも遅く第二次大戦後からだ。第二次大戦中には多くの航空戦力が投入されたが、実はこれらは陸軍の一部でアメリカ陸軍航空軍として設置されていた。しかし、この時には既に独立した指揮権を持っており、戦後の1947年に空軍として独立する。この立場を考えると陸軍の方が空軍よりも序列が高いといえる。ちなみに日本においても大戦時に空軍は存在せず、陸軍、海軍にそれぞれ航空隊があった。自衛隊創設に伴い航空自衛隊として独立した。

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宇宙軍は空軍から誕生した

同じような関係は宇宙軍と空軍にもある。2019年に誕生した宇宙軍だが、もともとは統合軍の一つで、その時は空軍大将が指揮を務めていた。今の宇宙軍の隊員の大半は米空軍宇宙司令部から転属している。第六軍に格上げされたが組織管理・軍政面では今も空軍省、空軍長官の管理下にあり、空軍大将が宇宙軍を下に見るのも頷ける。

一番権威があるのは海兵隊

六軍の中でも最も権威があるのは海兵隊とされている。どの軍よりも真っ先に戦場に投入され最前線で戦う彼らは六軍の中でも最も訓練がきついといわれる。それもあり海兵隊は国民から尊敬されている。古いデータではあるが、「もっとも威信と権威がある軍?」という2004年のアンケートでは陸軍15%、海軍8%、空軍20%に対し海兵隊は44%の票を集めている。
海兵隊は水陸両用部隊で自給自足が原則。基本的に他軍に頼らず作戦行動できるなど自尊心も高い。しかし、海上輸送や航空機の運用には海軍の協力が不可欠であり、海軍無しでは行動できないのも事実である。

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沿岸警備隊が一番下

沿岸警備隊は、六軍の中で最も規模が小さい。財務省の下で1915年に米国沿岸警備隊として正式に創設され、1967年に運輸省に移管、2002年には国土安全保障省に移管、他の五軍と違って国防総省傘下でないのに軍扱いされている。主な任務はその名の通り、沿岸や河川、湖の警備で日本の海上保安庁に近い。任務範囲も国内のみだ。それもあり、他の軍は軍と見ておらず、ドラマの中でも一番下に扱っていた。しかし、有事の際は海軍傘下に入り戦争に参加する。実際、第二次大戦、ベトナム戦争に海軍傘下で参加している。

まとめ

序列からいうと、陸軍、海軍、海兵隊が並列といったところから。次に空軍があり、その下に宇宙軍がある。そして沿岸警備隊が一番下だ。しかし、南シナ海やアデン湾など海上での問題が多い現代、重要なのは海上行動が可能で空母を擁する海軍であり、真っ先に戦場に投入される海兵隊であると思われる。海軍と海兵隊で陸海空ともにカバーできる。また、今後の覇権争いは宇宙に移ると考えられ、今後の展開次第では宇宙軍の序列が上がるかもしれない。

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https://news.gallup.com/poll/11824/which-branch-armed-forces-most-important.aspx

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