アメリカの民間軍事企業Airborne Tactical Advantage Company(ATAC)に所属するMIRAGE(ミラージュ)F1戦闘機が、アリゾナ州のルーク空軍基地での訓練任務中に墜落しました。Fox10の報道によると墜落事故は2月10日、基地の北西24km地点で発生。パイロットは墜落前に脱出。軽傷は負いましたが命に別状は無いようです。訓練地域は無人地帯で民間人の被害もありません。
仮想敵機役を米空軍に提供するATAC
墜落したミラージュF1戦闘機はPMCであるATACに所属する機体です。ATACは米空軍が戦闘機部隊の訓練のための仮想敵機役を行う部隊の一つとして取引している会社の1つで、墜落した機体はF-22の部隊である43戦闘飛行隊と、F-35の部隊である第58戦闘飛行隊に仮想敵機役として訓練の支援を行っていました。ATACのパイロットのほとんどは過去、空軍や海軍に所属していたパイロットになり、1000時間以上の飛行時間を有する実績十分のパイロットです。ATACではミラージュF1、L-39アルバトロス、F-21クフィル、MK-58ホーカーハンターの4の機体を所有、パイロットはこれらに搭乗して、訓練を行っています。
墜落したミラージュF1
墜落したミラージュF1はフランスのダッソー社によって開発製造された戦闘機で1970年からフランス空軍やスペイン空軍で運用が開始されました。2013年にはスペイン空軍、2014年にはフランス空軍から退役しますが、ATAC、同様に仮想敵機役の訓練任務を提供するDraken International(ドラケン・インターナショナル)の二社はフランス空軍から退役したミラージュF1、63機を2100万ユーロで購入。ドラケンはスペイン空軍の機体22機も購入しています。その後、敵機役を行うための改修と修理が行われ、ATACは事故前時点で7機のF1を所有していました。2021年5月にはドラケンが所有する元スペイン空軍のミラージュF1がネバダ州ラスベガス近郊に墜落、パイロットが死亡する事故が起きています。
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