対物ライフルや重機関銃と同じ50口径を持つロシア最強の回転式拳銃RSh-12(RSh-12.7)について紹介する。
スナイパーライフルと同じ弾丸を使用
RSh-12はロシアのKBPトゥーラ器械製造設計局が設計開発を行い、2014年に登場した。Rsh-12という名前は”Revolver(リボルバー)”の「R」と「突撃」を意味するロシア語の”Shturmovoy”、12は口径の「12.7㎜」を意味している。弾丸は12.7×55㎜弾の「12.7×55mm STs-130亜音速弾」を使用する。これは同じ口径でスナイパーライフルのVKSやアサルトライフルのShAK-12と同じ弾丸だ。この弾丸は大口径の亜音速弾で軽装甲車や防弾ベストを貫通する威力を持つ。Rsh-12はVKSやShAK-12と同様にロシア連邦保安庁(FSB)の特殊部隊アルファ部隊用の拳銃として開発された。
スペック
RSh-12の特徴はバレル(銃身)とシリンダーのデザインだ。この特徴はChiappa Rhino(チアッパライノ)やMATEBA(マテバ)の二つの拳銃にも見られ、この二つを参考に設計したと考えられる。
バレルの位置
通常、リボルバーはシリンダーの最上層部が上部のバレルとつながって弾丸が発射される。しかし、RSh-12はバレルが下部にあり、バレルの上部には重り(バレルウェイト)が配置され、弾丸は最下層部から発射される。ライフルと同じ弾丸を拳銃で撃てばその反動は比ではない。しかし、このバレルの構造によって、射撃後の銃口の跳ね上がりを減少させることができ連続射撃でも多少なり制御が可能になる。バレルの上下にはピカティニーレールのようなレールがあり、サイトやライトといった戦術アクセサリーの追加が可能のようだ。アクセサリーを付けバレルを重くすればそれだけ反動も抑えられる。
シリンダーの形状
通常、シリンダーの形は丸い円柱状なのだが、RSh-12は側面が平坦な五角形の形をした装弾数5発のシリンダーだ。シリンダーの側面を平坦にすることで横幅を抑えることでき、携行性は増すとされている。RSh-12は大口径もあって拳銃としては巨大だ。それを多少でも抑制するために設計されたのかもしれない。
RSh-12はバレルとシリンダーを交換することで小銃弾の9×39㎜弾を使用することもできる。拳銃では制御が難しい12.7㎜弾を使用するメリットはあまり感じられず、実用性があるかどうかは疑わしい。実際、2014年に発表されて以降の情報は少ない。
口径 | 50口径(12.7㎜) |
重量 | 2.2㎏ |
全長 | 357㎜ |
銃身長(バレル) | 250㎜ |
弾丸 | 12.7×55mm STs-130亜音速弾 9×39mm弾 |
装弾数 | 5発 |
射程距離 | 300m |