ロシア国防省がウクライナにはまだ無いブラッドレー歩兵戦闘車の破壊を発表!過去にもあった虚偽の戦果報告

ロシア国防省がウクライナにはまだ無いブラッドレー歩兵戦闘車の破壊を発表!過去にもあった虚偽の戦果報告
US Army

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は12日、ウクライナ領内において、ウクライナ軍のブラッドレー歩兵戦闘車4両を破壊したと発表しました。

ブラッドレー歩兵戦闘車は、アメリカが1月6日に追加軍事支援として発表したばかりの兵器です。発表からまだ1週間しか経っておらず、ソ連製の兵器ならまだしも、これまでと全く体系が異なる西側製の戦闘車がこれだけ短期間で提供される筈もなく、ウクライナはまだアメリカからブラッドレーを受け取っていません。

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つまり、今回のロシア大本営の発表は真っ赤な嘘です。しかも、直ぐ嘘とバレてしまうような、軍の公式発表とは思えないお粗末さです。例え自国内向けの発表だとしても、ネットが発達した今、自国民を欺くことも難しい偽情報です。

ブラッドレー自体はアメリカNATO軍に配備されているので、そこからの提供であれば、輸送自体は直ぐに可能ですが、少なくとも提供のための改修やメンテナンス、ウクライナ兵への訓練が必要であり、訓練も通常、ウクライナ外のNATO諸国で行われます。少なくとも提供までの準備期間として数週間、1カ月は欲しいところで、HIMARSや防空ミサイルなどは数か月の準備期間を経て提供されています。今回のブラッドレーの提供は3月のロシアの大攻勢を見越した支援の一環であり、少なくとも2月中にはウクライナ軍で運用可能になるようスケジューリングして提供すると思われ、早くても1月末と予想されています。もし、現時点で破壊したのであれば、それはNATO領内にある車両でNATOを攻撃したことになります。

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44両のHIMARSを破壊したという嘘

ロシアの防空システムではM142 HIMARSとM270 MLRSを撃墜するのは不可能

ロシアがこのようなあからさまな嘘をつくのは今回が初めてではありません。昨年9月にロシア国防省は44両の高機動ロケットシステムHIMARSを破壊したと発表。しかし、この時点でアメリカからウクライナ軍に提供されていたHIMARSは最大で20両です。つまり、ある筈のない、24両のHIMARSを破壊したことになります。しかも、HIMARSはまだ1両も公式な破壊記録がありません。ロシア側の言い訳をしてあげると、ウクライナ軍は囮用の張りぼてHIMARSを設置しているようなので、それをカウントしている可能性もあります。しかし、そうだとしても、44両は盛り過ぎです。これだけ破壊していればHIMARSは全滅したことになりますが、現在も攻撃を受け続けている事実をどう説明するのでしょう。

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ウクライナ空軍の兵力より多い撃墜数

第4世代戦闘機のMig-29が第4.5世代戦闘機のSu-35を撃墜
mod ukraine

今年初めに昨年2月の侵攻開始以降の戦果をロシア国防省が発表したのですが、ロシア軍はこれまでウクライナ軍の戦闘機367機、ヘリコプター200機、無人機2856機、地対空ミサイルシステム400基、戦車および装甲車7460両、多連装ロケット砲972両、野砲および迫撃砲3793門、特殊軍用車両7978台を破壊したと報告。情報の真偽は不明ですが、確実に嘘だと言えるのが戦闘機の撃墜数です。ウクライナ空軍の戦闘機は侵攻前に保有していた機体、その後、支援で受け取った機体を合わせても100機ほどしかありません。367機という数は日本が保有する機体数を凌ぎ、撃墜された数だけでも世界5位クラスの空軍力に匹敵します。支援があったとしても高価な戦闘機をこれだけ揃えるのは不可能ですし、提供しようとしてもNATOの参戦だと騒いでロシアは黙っていないでしょう。

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先日もロシア国防省はウクライナ東部でミサイル攻撃によりウクライナ兵600人以上を殺害したと発表しました。これは新年に前線近くでロシア兵数百人が集まってニューイヤーパーティーを開催している最中に攻撃を受けて、89人が戦死した報復になるのですが、この時、ウクライナ側はロシア兵400名が死亡と発表。6600名は明らかにそれに対抗した発表です。建物にはウクライナ兵1300人が居たとされますが、流石に戦闘が激しい東部で、一か所にこれだけの兵を集めることは考えづらく、海外メディアも現地取材でそのような被害は確認できなかったと報じています。

ウクライナ側も水増しの戦果報告はありますが、ロシアの場合は直ぐ、嘘と分かるような発表が散見されています。

これらのロシア国防省の虚偽の戦果発表は第二次大戦時、大日本帝国軍の大本営が同じように虚偽の水増し戦果を発表していたことから、「大本営発表」と日本では揶揄されています。情報社会の現在では自国民でさえも欺くのは難しく、このような発表は国内外に自国の劣勢を示すことになります。

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