イギリスのデイリーメールの報道によると、ロシアの民間軍事会社でウクライナ侵攻に傭兵部隊として参加しているワグネル(ワグナー)グループ社の戦闘員8000人の内、既に3000人が死亡したとのことです。
イギリスのファクトチェックサイト”ベリングキャット”の常務取締役であるクリスト・グロゼフ氏は4月19日、ウクライナ侵攻に派遣されたワグネル・グループ社の8000人の戦闘員の内、3,000人の戦闘員がこれまでの戦闘で戦死したと考えられると述べました。ウクライナの元内務大臣であるArsen Avakov氏は3月18日にワグネルや親ロシア武装組織といった非正規軍兵4,451人が戦死したというロシアの内部報告を発表しており、少なくとも数千人規模の戦死者がいるのは間違いないと思われます。
ブチャでの虐殺を行った非人道部隊
ワグネルはGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)のスペツナズ隊員だったドミトリー・ウトキン元中佐が創設し、プーチンの盟友でオリガルヒの一人であるエブゲニー・プリゴジン氏が資金援助する民間軍事会社です。民間企業ではありますが、プーチンとクレムリンの意向を組んだ任務を請け負っており、主に中東やアフリカといったところで正規軍ではできない汚れ仕事、残虐行為を行っているとされています。
Rusich instagramロシアのウクライナ侵攻にはロシアの民間軍事組織ワグネルグループ(ワグナー)の傭兵が参加しているとされています。傭兵である彼らは切り落とした頭でサッカーをするなど中東やアフリカで残虐行為の限りを尽くし[…]
ウクライナには2014年の東部紛争から参戦しており、表向きには参戦できないロシア軍に代わって親ロシア派武装組織に訓練、戦闘への参加、拷問を行っていました。今回のウクライナ侵攻にも最初から戦闘に参加、ゼレンスキー大統領の暗殺を謀って失敗した200人の暗殺部隊もワグネルとされています。初期の作戦がうまくいかなかったこともあってか、ワグネルの人員は拡大、その数は延べ8000人に。2017年時の社員が6000人でその内の半数が戦闘員とされていたので、ウクライナ侵攻のために大幅に人員を拡大したとことが考えれます。しかし、派遣した人員の内、既に40%近くを喪失。ロシア軍の損耗率が20%ちょっとらしいので、事実であれば異様に高い数値です。民間企業の傭兵がいくら死んでもロシア政府には責任が及ばない、国民の反発も少ないので、おそらく積極的に危険な前線に出された可能性はあります。このような事態をうけてか、エブゲニー・プリゴジン氏がウクライナ東部に入ったとの情報があります。
ワグネルのメンバーはブチャといったキーウ近郊の都市での虐殺を主導したとされています。
weaponews.comPMC(民間軍事会社)は軍事企業といっても民間企業であり、主な仕事は要人警護や重要施設、危険地帯の武装警備になる。だが、企業によっては裏の仕事として正規軍ではできない仕事や国家の関与を隠したい任務など汚れ[…]
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