SEALsの新しい潜水艇”ドライコンバットサブマースィブル(DCS)”

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SEALsの新しい潜水艇”ドライコンバットサブマースィブル(DCS)”
© 2018 Submergence Group / MSUBS Ltd.

ネイビーシールズや特殊部隊を扱った映画やゲームで隊員が小型潜水艇に乗って、海中から秘密裏に敵領内に潜入する光景を見た事あると思う。潜水艇といっても、気密状態ではなく、隊員はスキューバ装備を付けて海水に体が浸かった状態で搭乗する形になる。しかし、これには欠点があり、現在、新しい潜水艇「DCS」が開発されている。

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今の潜水艇には欠点がある

現在、シールズは「SEAL輸送潜水艇(SEAL Delivery Vehicle)」、通称SDVと呼ばれる小型潜水艇を使用している。潜水艦にドッキングでき、海中から特殊部隊を秘密裏に海上、海岸に送り届ける事ができる。しかし、いくつか欠点がある。潜水艇の内部は気密状態ではないため、隊員はスキューバ装備を着用しなければならないのと、潜水時間に応じた酸素が必要になる。そして、もう一つ大事な点が、体が海中に浸かるため、冬や寒冷地では長時間の潜水が出来ず、体が冷えることで身体に悪影響を与える事があり、上陸しても体が十分に機能しない。失敗が許されない特殊任務において、これは致命的になる。

SEAL輸送潜水艇(SEAL Delivery Vehicle)

DCSは欠点を解決する

DCSは「ドライ・コンバット・サブマースィブル(Dry Combat Submersible)」の略になり、米国SOCOM(特殊作戦群)向けに開発された特殊な潜水艇になる。英国の企業であるMSubs社が設計を行い、ロッキードマーティン社が製造を行っている。MSubsは、主に米国防総省向けに無人・有人の特殊潜水艇を数多く開発し、潜水艇に特化した会社になり、米国のサブマージェンスグループ傘下になる。

濡れない潜水艇

SEALsの新しい潜水艇”ドライコンバットサブマースィブル(DCS)”
© 2018 Submergence Group / MSUBS Ltd.

名前のドライ(Dry)を「乾燥」という意味で捉えてしまうと思うが、「濡れていない」「水がはけている」という意味もある。DCSはSVDと違い、内部が濡れていない密閉された潜水艇、つまり、搭乗する隊員たちは目的地近くまで海水に浸かることなく向かう事ができ、スキューバ装備を装備しない若しくは最小限に抑える事できる。搭乗員は操縦士2人に、完全装備のシールズ隊員6人の計8名が搭乗でき、移動中に作戦のブリーフィング、準備が可能になる。潜水深度に関しては完全気密状態であれば、水深100メートルまで可能で、水深0~30メートルで海中でゲートを開けて隊員が展開できる。航続距離は100kmになるので、母船を危険に晒すことなく、遠距離から作戦行動が可能だ。

潜水艦には搭載できない

しかし、機能が上がった結果、DCSはSVDの6.7mから全長12mと約倍の大きさなった。その結果、現状、潜水艦には搭載できず、水上艦から発艦になる。

一番艦が2020年4月にSOCOMに引き渡され、現在試験中になる。しかし、密閉空間であるため、コロナの影響で試験は遅れている。今のところ3番艦まで建造が予定されている。

スペック

・全長 12メートル
・高さ: 2.4メートル
・重量: 14トン
・排水量: 28トン
・乗員: 8名(2名のパイロット• 6名の完全装備隊員)
・最大深度: 100メートル
・速度: 5ノット

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https://www.lockheedmartin.com/en-us/products/manned-combat-submersible.html

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