韓国の次期戦闘機の「KF-21ポラメ」プロジェクトを巡り、価格競争力と不確実性に対する懸念から、韓国国防研究院(KIDA)は初期生産量の削減を勧告した。当初の計画では、初回バッチで40機を生産する予定だったが、その数は半減する可能性がある。
韓国メディアのKBSなどの報道によれば、KIDAはKF-21の事業妥当性を評価。その結果、初回の生産量を当初計画の半数に減らすべきと判断、その分析結果を空軍に共有した。
KF-21ポラメは老朽化したF-4およびF-5戦闘機に代わる次世代戦闘機を開発する目的で8兆9000億ウォンの予算で2015年に発足した。2022年7月には初飛行を達成。既に6機のプロトタイプが完成している。韓国空軍は2026年から2028年の間に初回バッチ分と40機のKF-21を配備し、2028年から2032年まで更に80機を追加量産し、計120機から成る飛行隊を編制する計画だった。KIDAはその初回バッチを半分の20機にするよう勧告している。理由は言及されていないが、アメリカの第5世代ステルス戦闘機F-35の普及があると言われている。
写真:防衛事業庁韓国初の国産戦闘機で第4.5世代戦闘機のKF-21「ポラメ」のテスト飛行が7月19日に行われ、無事、初飛行に成功したと韓国の防衛事業庁が発表した。[adcode]https://www.youtu[…]
F-35は現在、世界で最も売れている戦闘機であり、これまでに納入分を含め3000機以上のオーダーが入っており、韓国空軍も40機のF-35Aを保有。更に今年、25機を追加オーダーしている。現在の生産数は年間156機だが、来年には175機に増やす予定だ。これだけの数が量産されるともちろん単価が下がってくる。2015年には1機あたり1億1140万ドルだったF-35Aの価格は現在7000万ドルほどだ。それに対し、KF-21の価格は今の6500万ドルと大差はない。まだ、開発中の段階であり、単価は上がる可能性がある。KF-21は今のところ第4.5世代戦闘機に分類されており、現在主流のステルス機ではない。価格が一緒であれば性能が良く、実績があるF-35を買う方が妥当だろう。その理論で行くとKF-21自体の存在価値も危ぶまれることになる。
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