韓国メディアの報道によれば、韓国防衛産業庁が25日、韓国航空宇宙公社(KAI)とKF-21戦闘機の量産を正式に開始する契約を締結した事を発表した。初期量産分は20機になり、契約総額は1兆9600億ウォン、日本円で約2250億円になる。
今年3月に防衛産業推進委員会がKF-21の量産スケジュール計画を承認したことを受け、今回、正式に契約が締結された。KF-21の初期生産数は当初40機を予定していたが、昨年11月に価格競争力と不確実性に対する懸念から、韓国国防研究院(KIDA)は初期生産量の削減を勧告。防衛庁は、試験の進捗の遅れを理由に、KF-21の最初の購入ロットを40機から20機に引き下げることを決定した。KF-21はまだ完成していないが開発進捗率は80%超えており、現段階で初期運用評価(IOT&E)、アクティブ・フェイズドアレイレーダー(AESA)、ミーティアとIRIS-Tの2つの空対空ミサイルの運用能力と安定性を立証したことで、今回初めて量産契約を締結した。 開発が完了する2026年から納品が始まる予定だ。 また、KF-21の量産契約に合わせ、AESAを生産するハンファシステム、KF‐21に搭載されるF414エンジンを生産するハンファ·エアロスペースとも供給契約を締結している。
KF-21は、最近退役したF-4と今後退役を予定しているF-5戦闘機に代わって、韓国空軍に配備される予定で、韓国空軍は2026年から2028年の間に初回バッチ分と合わせ40機のKF-21を配備し、2028年から2032年まで更に80機を追加量産し、計120機から成る飛行隊を編制する計画だ。
価格が100億円以上に
KF-21の量産が正式に決定したが、気になるのは価格だ。今回の契約総額1兆9600億ウォンを単純に20機で割ると、一機あたりのコストは980億ウォン、日本円112.5億円になる。韓国空軍が導入するアメリカの第5世代ステルス戦闘機F-35Aの現在の価格は8250万ドル、ウォンでいうと1140億ウォン、日本円で130億円と大きな差はない、しかも、KF-21は非ステルス機の第4.5世代戦闘機、KF-21のスペックはまだ完全に明かされてはいないが、スペック的にはF-35Aの方が高く、既に実戦で性能は実証済だ。F-35Aと比較するとKF-21は高く感じるが、同じ第4.5世代戦闘機で比較するとKF‐21の価格は実は高くないのだ。フランスのラファール戦闘機は一機あたり、およそ1億ドルとされており、欧州のユーロファイター・タイフーンは1.2億ドルされており、実は第4.5世代戦闘機としてはKF-21は割安なのだ。そもそも、F-35は年間150機以上が生産され、米軍だけで2500機を発注、全世界のオーダーを含めると生産数は4000機を予定している。この量産メリットにより価格を大幅に下げている。ラファールも最近、注文を増やしてはいるが、F-35には遠く及ばず、量産メリットの恩恵を受けずらい。そして、これら高い第4.5世代戦闘機を買うのはアメリカからF-35が買えない非同盟国の中堅国が主になる。ラファールの顧客はインドやインドネシア、ユーロファイターはサウジアラビアが主な顧客だ。KF-21はインドネシアとの共同開発になり、インドネシアは48機の調達を予定していたが、機密情報の持ち出し未遂、開発が佳境に来た段階で開発費負担分を当初の3分の1に欲しいと要請しており、暗雲が立ち込めている。
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