NSPU(NSPU-M)は1970年代にソ連によって開発された初期のナイトビジョンになり、今なお戦場で使われているナイトスコープになります。
NSPUはアメリカのAN/PVS-1と並ぶナイトビジョンの初期モデルで、第一世代に分類されます。1970年代に設計開発され、現代では時代遅れのナイトスコープになりますが、シリアなどといった中東では未だに使用されているのが確認されており、旧ソ連のウクライナ軍でも紛争が始まる2014年まで使用されるなど、旧ソ連圏の国では未だ運用されているとされる現役の軍用ナイトスコープです。
ソ連製銃器に対応した汎用ナイトスコープ
NSPUは主にソ連製の銃器に搭載できるように設計されており、アサルトライフルのAKシリーズ(AKM、AK-74、AKS-74)、軽機関銃のRPKシリーズ(RPK、RPK-74)、汎用機関銃のPKシリーズ(PKS、PKMS)、スナイパーライフルのドラグノフSVD、グレネードランチャーのRPG-7と多様な火器に搭載できます。400m以内の距離で人間を識別でき、戦車ぐらいの大きさであれば600m先まで視認でき、倍率は3.5倍になります。バッテリーの駆動時間は6時間です。
最新の軍用ナイトスコープが1km先以上を視認できるの考えると性能的には陳腐化しています。最大のデメリットは大きさと重さです。全長は495mmになり、ストックを畳んだAKSー74U(490mm)とほぼ同じ長さです。そして、重量は2.2kgにもなり、アサルトライフルに装着すれば、取り回しがかなり悪くになります。また、戦闘視界を確保するには月あかり程度の光が必要になり、曇雨時や明かりの乏しい屋内では100m以下まで視界が狭まることがあります。
とはいえ民兵やゲリラなど満足な装備を持たない武装組織にとっては、無いよりはましな装備ではあります。中古市場にも多数出回っており、安価で手に入りやすい軍用ナイトスコープになります