ロシアの諜報機関に所属する特殊部隊

ロシアの諜報機関に所属する特殊部隊

ロシアの特殊部隊”スペツナズ”。よく誤解されがちなのが、スペツナズが特定の特殊部隊の名であると思われていることです。これは間違いであり、スペツナズは固有名詞ではなく、ロシア語で”特殊部隊”を表す総称・略語であり、ロシア軍やロシア警察、その他法執行機関には複数のスペツナズが存在しています。今回は複数あるスペツナズの中でもロシアの諜報機関に所属するスペツナズ3つを紹介します。

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GRU・スペツナズ

GRU・スペツナズ

ロシア連邦軍の外国軍事諜報機関であるロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)に所属するスペツナズです。1949年に創設された部隊はソビエト軍の参謀本部の「目と耳」として、冷戦時代に暗躍します。主な任務は国内外の敵の特殊偵察と情報収集、妨害工作です。シンボルマークはコウモリであり、派手さは無いものの闇に紛れて活動します。20の旅団を抱える規模にまで拡大していたGRUスペツナズは1968年にチェコで起きた「プラハの春」では、ソ連による軍事介入に先立ち、潜入していた隊員が空港など首都プラハのすべての主要施設を制圧します。ベトナム戦争時にはカンボジアにある米軍基地に潜入、15人の米兵を殺害し、当時最新のAH-1コブラ攻撃ヘリコプターを1機を奪取しています。ソ連崩壊後は部隊は縮小されますが、現在でも7つの旅団と1つの連隊を抱えており、シリア紛争、ウクライナ東部紛争の親ロシア派武装組織の背後にはGRUスペツナズがいるとされています。海外でのロシアの主な軍事活動にはGRUが関与しています。

FSB・スペツナズ

FSB・スペツナズ

別名「アルファ・グループ」とも呼ばれる部隊で、スペツナズの中でも最も有名で最高峰の部隊と言ってもよいかもしれません。ロシア連邦保安庁(FSB)に所属する部隊で、世界各国で警察特殊部隊の創設のきっかけになったミュンヘン・オリンピックでのテロ事件後の1974年にロシア国内での治安維持ための対テロ活動、犯罪対策、諜報活動を目的に創設されました。しかし、その範囲はいつしか国外にも及び、1979年のアフガニスタン侵攻では首都カブールの大統領宮殿を襲撃し、当時のアフガニスタン最高指導者であったアミールを暗殺する「嵐333号作戦」を成功させます。冷戦時は対外諜報を行っていたKGBを支援し、任務範囲を超えた活動を行っていました。今でも主に東ヨーロッパにおいて工作・諜報活動を行っており、最近では暗殺など強硬な作戦も行っています。対テロにおいては過激で犠牲も厭わない対応をすることで有名で、129人が犠牲になった2002年「モスクワ劇場占拠事件」、386人が犠牲になった2006年の「ベスラン学校占拠事件」の対応を主導していました。

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アルファ部隊|ロシアFSB配下のエリート特殊部隊

SVR・ザスローン部隊

ザスローン部隊|防壁を意味するロシアの特殊部隊

ロシアの諜報機関、ロシア対外情報庁(SVR)に所属するスペツナズです。諜報機関というとGRUと混同してしまいますが、別組織でありソ連時代の有名なスパイ組織KGBの後継となる組織です。GRU、FSBの部隊と比べると歴史は浅く、創設されたのは1997年になり、その人員は約300~500名と少数です。SVRの主な役割は国外での諜報活動ですが、ザスローンに課せられた主な役割は海外での人質救出や秘密保護、要人警護になります。特にホットスポットと呼ばれる中東やアフリカといった危険地帯に要人が赴くときに派遣されます。緊急時には彼らを無事に脱出させる責任を負います。またGRUとFSB同様に妨害工作、諜報、破壊活動、暗殺という直接行動を行います。スペツナズの中でも表に出ることが極端に少ないため、秘密が多い部隊です。

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