ウクライナ保安庁(SBU)のスペツナズ(特殊部隊)の狙撃手が3,800m先にいるロシア兵の狙撃を成功させ、狙撃の世界記録を更新したとウクライナメディアが報じた。これまでの世界記録はカナダ軍の狙撃手が記録した3540mだった。
New world record: the SBU sniper destroyed the invader from a distance of 3.8 km.
— ✙ Albina Fella ✙ 🇺🇦🇬🇧🇫🇷🇩🇪🇵🇱🇺🇸🇨🇦🇦🇺 (@albafella1) November 18, 2023
The SBU sniper set a world record for the most effective shot. He hit an enemy soldier from an incredible distance of 3800 meters. The previous record was 3540 meters.
It is noteworthy that this… pic.twitter.com/0XsXixxfvL
「SBUのスナイパーは、狙撃の世界基準を書き換え、驚異的な距離で効果的に作戦行動する比類のない能力を示しています。」とSBUは述べた。狙撃の様子は映像で公開されており、発砲音が聞こえてから、約11秒後に標的と思われる人影がダウンする様子が確認できる。ウクライナ側の発表によれば狙撃地点から標的までの距離が3,800m。これは2017年5月にイラクにてカナダ軍特殊作戦司令部傘下の特殊部隊JTF-2所属のスナイパーが記録した3,540mの記録を200m以上更新する世界記録になる。ちなみに、この時の着弾まで時間が10秒とされているので、今回の着弾までの11秒という時間と距離の辻褄は合う。ウクライナでは昨年11月に当時世界3位の狙撃記録となる2,710mを別のスナイパーが達成しており、この戦争でウクライナのスナイパーが狙撃TOP5に2人踊り出たことになる。
ウクライナ軍は自軍のスナイパーが2,710m離れた先にいるロシア兵を狙撃したと発表しました。事実であれば、世界3位の狙撃記録になります。[adcode]Sniper of the Ukrainian Nationa[…]
使用したライフルはLord of the horizon rifle
今回、使用されたライフルはウクライナのMAYAK兵器工場が開発した国産の「Lord of the horizon rifle」。直訳すると「地平線の主のライフル」になり、文字通り地平線の先の標的を狙うことができる超ロングレンジライフルになる。ライフルはボルトアクション式の対物ライフルで単発と8発装填のマガジンタイプの2つがあり、単発の場合の重量は15.5kg、マガジンタイプは17kgになる。ストックは伸縮式で全長は1,520~1820mm、バレル長は1050mm。弾薬はNATO標準の12.7×99mmやロシア規格の14.5x114mmも使用できるが、最も精度と最大射程を発揮するのが特殊な12.7x114HL(HLはLord of the horizonの略)弾になり、弾丸は2,700mに渡って超音速を持続。メーカー側の説明では最大有効射程は3,100mだが、今回達成した記録は、それを700mも更新している形だ。
ウクライナでは他にもSnipex社がT-RexとAlligatorといった2つの14.5×114mm口径の対物ライフルを開発。戦場に投入しており、数々の戦果を挙げている。この2つのライフルは3000m前後の狙撃が可能とされている。
© 1991-2020 XADO Chemical Group.XADOグループ傘下のウクライナの銃器メーカー”Snipex”社は、自社で開発する対物・アンチマテリアルライフル、T-Rex(ティーレックス)とAlligator(ア[…]