兵員不足の台湾軍、外国人部隊の創設を検討

兵員不足の台湾軍、外国人部隊の創設を検討
中華民国陸軍

中国による台湾侵攻の懸念が高まる中、台湾の安全保障担当者の間では軍隊の強化と人員増を図るため、軍に外国人を採用、外国人部隊の創設を議論していると報道されている。

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RFAなどの報道によれば、台湾の複数の議員、安全保障の関係者らは、軍の人員不足を解決するために他国の軍の採用プログラムをモデルに、台湾軍に外人を採用、「外国人部隊」を創設することを提案している。中国による侵攻の懸念が高まる中、台湾軍の兵員は年々減少しており、国防省の報告書によれば、軍の充足率は80%になっており、2020年の89%と比較すると、大幅に下がっている事が分かる。立法院予算センターによると、志願兵部隊の人員は2022年1月から2024年6月までに1万2000人減少、安全保障専門家で淡江大学の教授であるアレクサンダー・ホアン氏は正規軍の兵員は2022年の約16万5000人からわずか2年で15万3000人に減少していると報告している。この数字は2025年にさらに5000人減少すると予測されており、7年ぶりの低水準に達する可能性がある。台湾軍では早期除隊がここ数年増えており、志願兵も減っている。台湾では18歳以上の男子に兵役を義務づけているが、4か月間だった兵役期間を、2024年から1年間に延長させ、戦闘能力の強化を図っている。兵役修了者はそのまま予備役兵として登録される。この徴兵制度もあり台湾軍は正規兵約15万人に対し、その10倍の160万人の予備役兵がいる。しかし、中国は200万人以上の現役兵と50万人の予備役を擁しているとされ、戦力差は大きい。

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出生率も低下しており、人口2300万人の島国では兵力の大幅増は期待できないこともあり、外国人の登用によって、戦力強化を検討している。外人部隊は世界的に見ても珍しい事ではなく、フランス軍やスペイン軍の外人部隊は有名だ。イギリス軍にはネパール人によって構成されたグルカ旅団がある。現在、戦争中のウクライナとロシアでも外国人が義勇兵と参加している。米軍では永住権を持つ外国人が入隊でき、最低でも5年かかる市民権の取得が軍務に就くと2年に短縮されるため、志願する移民は一定数いる。フランス外人部隊では3年間勤務するとフランス国籍が取得できる。台湾は他国をモデルケースに外人部隊の創設を検討している。現在、台湾には95万人の外国人居住者がおり、「台湾に定住し、ここで生活し、もし台湾が侵略があった場合には第二の祖国を守るために喜んで武器を取る外国人は間違いなくたくさんいるだろう」と独立系シンクタンク、台湾政策センターの最高経営責任者デイビッド・スペンサー氏は述べている。

世界各国、特に出生率が低下している先進国では軍は慢性的な兵員不足に陥っており、採用基準を緩和したり、外国人を採用する国が増えつつある。オーストラリア軍は2024年からオーストラリアの永住権を持つニュージーランド国籍保持者が入隊を申請できるようになった。2025年からはイギリス、アメリカ、カナダなどに対象国を拡大するという。

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