アメリカのボーイング社は2050年まで運用が決定している「B-52ストラトフォートレス戦略爆撃機」の次バージョンアップモデルである「B-52J」のCG外観モデルを明らかにしました。
AirandSpaceforcesMagazineによれば、ボーイングはエンジンをイギリスのロールスロイス社製の新しいF130ターボファン エンジンに置き換え、新しいアクティブフェイズドアレイ(AESA)レーダーを搭載したB-52 ストラトフォートレスの新しいイメージをリリースしました。この新しいバージョンはB-52J、もしくはB-52Kと命名される予定です。
アメリカ空軍は昨年9月に1955年に運用が始まったB-52戦略爆撃機の「商用エンジン交換プログラム(B-52 Commercial Engine Replacement Program:CERP)」の請負業者としてイギリスのロールスロイス子会社”ロールスロイス・ノースアメリカ”を正式に選択したことを発表。76機運用するB-52Hに搭載されている8基のエンジンをロールスロイス社製のF-130に交換することを決定します。それに伴い、少なくとも2050年代まで運用可能な耐久性を得ることになり、1955年に就役してから100年に渡って運用されるということで話題になります。(※現在運用中の機体は1961年以降に製造したもの)
Photo US AirForce1955年に運用が始まった「B-52ストラトフォートレス戦略爆撃機」。アメリカ空軍が運用する機体の中で最も古い機体は新型エンジンに交換を行い、2050年代までの運用が予定されています。 これはつま[…]
新しいエンジンは耐久性以外にもB-52の航続距離と燃料効率を最大40%改善し、給油なしでの作戦行動範囲を拡大。さらに未燃焼炭化水素の排出削減、メンテナンスコストの大幅削減が見込まれています。
新しいAESAレーダーはF/A-18E スーパー ホーネットにも搭載されているAN/APG-79と同じクラスが搭載される予定で「ゲーム チェンジャー」と表現されています。これまでのレーダーよりも小型化され、機体スペースの占有率を下げることで今後の拡張性も確保できます。レーダーの検出範囲は150kmですが、対地攻撃を主とする爆撃機であるB-52の場合、レーダーはエンジンより前の機首に下向きに装着され、主に地上の標的探知に使用されます。
新しいエンジンを搭載したB-52Jのプロトタイプは2025年末までに空軍に納入され、その後、試験を経て2028年まで最初のロッドが納入。2035年までに全てのB-52Hが更新される予定です。後発のB-1、B-2爆撃機が先に退役していく中、B-52は現在開発中のB-21と合わせて、少なくとも2050年まで戦略爆撃として運用される予定です。
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