中国人民解放空軍は1950年代に開発された旧式の戦闘機J-6(殲撃六型)を無人機に改修して、日本や台湾をなど含む東シナ海を担当する東部戦区、南部戦区に配備しています。
1950年代の戦闘機を無人機に
中国人民解放空軍の東部戦区は19日、微博(Weibo)の公式アカウントで真新しいJ-6戦闘機を披露しました。J-6は1950年代にソ連で開発された第2世代に分類される音速ジェット戦闘機”Mig-19”をライセンス生産のもと、国産化、その後、中国独自に発展していった戦闘機です。1980年まで生産され、長きに渡り運用されてきましたが、2010年には全て退役しています。退役したはずのJ-6ですが2011年には福建省の空軍基地で50機のJ-6が駐機しているのが衛星写真で撮られています。退役というのはあくまで有人機としてであり、実はその後、J-6は無人機(UAV)として改修が進められおり、衛星写真で撮られていた機体は無人機に改修されたJ-6と見られています。その後も、J-6が空軍基地の滑走路に駐機している様子が何度か衛星写真で撮られています。
その光景は今でも(2021年10月23日時点)確認でき、GoogleMapの衛星写真で南部戦区の広東省 梅州市にある”興寧空軍基地”を見ると滑走路脇に駐機するJ-6と思しき機影が目にとれます。この基地は台湾から約443 kmの距離にあり、J-6の航続距離の範囲内です。中国軍は1980年までに約3000機のJ-6を生産しており、いまだ数百機を保有していると推測されています。
とはいえ、半世紀前の戦闘機であり、その能力は限定的です。ペイロードは僅か250kgしかなく、同サイズの無人機と比較としても僅かな武器しか搭載できません。レーダーもミサイル誘導はできなく、搭載できるのは爆弾やロケット弾といった近接対地兵器に限定されており、対空・スタンドオフの攻撃能力はありません。既に用済みの機体ということもあり、用途としては多少の損害は顧みない、対地攻撃と自爆ドローンとしての運用かと思われます。中国は J-6の無人機化について、公式発表はしていません。
旧式化した機体を無人機として再利用することは近年のトレンドであり、昨年のアルメニアとアゼルバイジャンとの間で起きたナゴルノ・カラバフ戦争ではアゼルバイジャンが古いアントノフAn-2複葉機を無人機化して囮として使用していました。
Source
https://www.defensenews.com/global/asia-pacific/2021/10/20/china-shows-off-drones-recycled-from-soviet-era-fighter-jets/
https://weibo.com/u/6809075464?wm=_&layerid=4693935542504325