イスラエル国防軍は空爆に精密誘導弾しか使用していませんが多数の民間人の死傷者が出ています

イスラエル国防軍は空爆に精密誘導弾しか使用していませんが多数の民間人の死傷者が出ています
Photo IDF

イスラエル国防軍(IDF)とパレスチナ(ハマス)の紛争は始まってから約2週間が経った。ハマスによるおびただしい数のロケット弾による攻撃、それを撃墜するIDFのアイアンドームの様子が映しだされ、最近はIDFによるガザ地区の空爆の様子をニュースで目にすることが多い。この空爆によって、多数の民間人が死傷しているが、IDFは攻撃の全てが精密誘導弾によるピンポイント攻撃であると公表している。

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IDFは「Operation Guardian of the Walls(城壁の守護者)」作戦のもと、ガザ地区への攻撃に使用しているのは今のところ誤差1メートルから2メートルの精度を持つ精密誘導弾だけになる。空軍のすべての空爆兵器には精密誘導能力JDAMのGPSベースの誘導システムが装備されている。JDAMは、「dumb(まぬけ)」とも言われる無誘導爆弾を精密誘導爆弾にする変化キットになる。IDFはここ数年、このスマート爆弾の使用を増やしており、2006年のレバノン侵攻の63%、2008年のガザ紛争の81%、そして、今回のガザ空爆では100%と謳っている。つい先日も米国から7億3500万ドル相当のJADMキットの購入を決めている。

これは、毎回多数の民間人死傷者を出し、国際世論から批判を浴びることを考慮してのものと思われ、ピンポイント攻撃により民間人の被害を軽減させることを狙っている。しかし、ハマスはテロ組織であり、正規軍のような軍事基地を保有していない。圧倒的な戦力差による一方的な被害を避けるためにハマスは民間施設や居住地の地下に拠点やトンネルを構えており、精密誘導弾によるピンポイント攻撃と言え、ハマスの拠点を攻撃しようとなると民間施設の被害は免れないのが実情だ。そこで、IDFは空爆前に民間人に携帯ショートメールや電話で知らせるようにしているが、これは結局ハマスも知ることになるので、避難してしまい、効果的な打撃を与えることができず、イタチごっこになっている。確実に仕留めようと思うと広範囲攻撃か地上侵攻になるが、前者は民間人の被害を増やし、後者は多額の費用と人的被害が大きくなるため二の足を踏んでいる。

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https://www.idf.il/en/minisites/operation-guardian-of-the-walls/

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