アメリカ国防総省は2023会計年度の予算案を発表、予算計画では米空軍機150機を退役させる予定で、その中には33機の第5世代戦闘機F-22が含まれています。
訓練用のF-22 Block20を退役
米空軍は186機あるF-22の内、もっとも古いモデルのF-22 Block20 33機を引退させ、これによって節約できる維持費用を「NGAD(次世代制空戦闘機)」の開発に使用したいと考えています。
この33機のF-22はもともとフロリダ州ティンダル空軍基地で訓練用として運用されていた機体です。2018年10月にハリケーン「マイケル」が襲来し、55機あった内33機が避難して難を逃れますが、残りの機体は整備場の問題で飛行できませんでした。国防総省の2017年の調査によると、F-22の完全整備率は49.01%のみで、作戦行動可能な機体は半分しかありません。そして、この古い機体を現在、実戦配備されているBlock30/35にバージョンアップするには8年間で18億ドルもの大金がかかります。もともと稼働率が悪い上に、高額な維持費用が掛かるのであれば、退役させて、浮いた費用をNGADに回し、残りのF-22に、より高度なセンサー、F-35AライトニングIIのアップグレードにお金を掛けるべきとの結論に至りました。
昨年2021年の空軍の発表ではF-22は2030年から段階的に廃止予定ということだったので、だいぶ早まったことになります。F-22の飛行隊は186機から153機体制になり、退役するF-22は予備状態としてデビスモンサン空軍基地に送られます。
Photo US Air Force2021年5月にアメリカ空軍の第5世代戦闘機であるF-22ラプターが2030年から段階的に廃止するという報道があり、世間を驚かせましたが、ここにきて開発元のロッキード・マーティン社とF-22の近[…]
2023会計年度予算での空軍の退役予定の機体はF-22以外にA-10攻撃機が21機、MQ-9無人機が100機、E-3早期警戒管制機が15機、E-8早期警戒管制機が8機、C-130H輸送機が10機、T-1練習機が50機が含まれます。
2023年に調達予定の機体
新たな調達に関してはF-35Aが新たに33機、これは昨年の48機より少ない数です。調達数を減らし、NGADとF-35用の新しいエンジンの開発、そして、F-15EXを24機調達するためです。これは昨年のF-15EXの調達の倍の数です。
ちなみにF-35については2023年度の予算で海兵隊用に15機のF-35B、4機のF-35C、および海軍用に9機のF-35Cの調達も含まれています。
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