アメリカ海軍空母に搭載される艦載機の4~6割が将来、無人機(UAV)・ドローンになる可能性があると、米海軍司令部の航空部門のリーダーであるグレゴリー・ハリス少将が今週、海軍のイベントで述べました。
米海軍は2030年代に退役予定のF/A-18E/Fスーパーホーネットの後継機を開発する次期戦闘機「F/A-XX」を計画するあたり、米空軍が計画する次世代制空権:NGAD(Next Generation Air Dominance)プログラムと同様に独自のNGADを立ち上げ、有人機、ドローン、AIやセンサーなどが相互補完し、脅威を回避するためのシステムファミリーの構築を検討しています。将来的には空母艦載機は有人機と無人機を組み合わせたものになり、有人/無人の比率は最初は60:40、その後、それは逆転し40:60の比率になるとハリス氏は述べ、海軍の航空団のUAV・ドローンの比率を少なくとも50%、またはそれ以上に増やすことを強調しました。つまり、単純に考えるならば空母航空団の飛行編隊は有人機1機に対して、2機のドローンが随伴する形になります。
NGADの中心になるのはF/A-XXですが、F/A-XXも有人か無人になるのか、または部分的に自律航行させるかどうか定かではありません。それはF/A-XXを単純にF/A-18E/Fの代わりとは考えておらず、単一の航空プラットフォームではなく戦闘機、ドローン、武器のネットワークと考えています。米空軍はAIによるドローンの自律戦闘も視野に入れていますが、海軍ではドローンを「小さなパートナー」と呼び、あくまで有人戦闘機の随伴機として戦闘のサポート、電子戦プラットフォームの役割を考えています。その中で、E-2Dホークアイ早期警戒機が将来ドローンに置き換わる可能性もあると指摘しています。米海軍では現在、艦載機用の無人給油機MQ-25の開発を進めており、2024年には初期作戦能力に達する予定で、海軍はMQ-25の運用で空母航空団の監視、偵察、情報収集能力にどのような影響を及ぼすかを現在、研究で、その結果次第でNGAD・F/A-XXの構成も変わってくるかもしれません。