ウクライナのゼレンスキー大統領が再建を明言していた世界最大の航空機「An-225ムリーヤ」。約束通り、再建は決定し、既に再建作業は進行中であることが分かりました。しかも、既に30%が完成、ほかのレポートでは60~70%が完成しているという報告もあります。
2月24日にロシアによる侵攻が始まった際、An-225はキーウ近郊のアントーノフ空港に駐機していました。同空港はキーウ近郊に位置する戦略上重要拠点でロシア軍の空挺部隊降下のために激しい攻撃が行われ、格納庫に停まっていた同機も被弾します。4月以降、キーウからロシア軍が完全に撤退すると、同空港で破壊された見るも無残なAn-225をウクライナ側も確認します。ゼレンスキー大統領は再建を明言するも、唯一無二の世界最大の航空機を再建することは難しいと思われました。
同機を運用していたアントノフ・エアラインズ社は修理には5億ドル以上、8億ドルかかるとも言われる多額の費用がかかると述べています。しかも、まだ戦時中であり、先日もロシアによるミサイル攻撃が首都キーウを襲ったように、最近は比較的安全とされていた西側地域にも攻撃があり、まだ安全な場所はありません。ウクライナの再建の象徴、士気にも関わるAn-225の再建をロシアが黙って見ている筈もなく、攻撃されるリスクが高く、再建は安全が担保できるもっと先と思われていました。なので、このタイミングで再建開始とは意外です。
既に60~70%が完成というのであれば、早期の復活に機体が持てます。しかし、あの状態から数か月でどうやって、そこまで持って行ったのでしょう。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってまもなく、ウクライナが保有する世界最大の航空機「An-225ムリーヤ」はロシア軍の攻撃によって、無残に破壊され瓦礫と化し、世界中の航空ファンが落胆しました。唯一無二の航空機であったAn-225ム[…]
唯一無二の航空機とされたAn-225には実は2009年を最後に製造が止まっていた2機目があります。これをベースに再建しており、2機目は70%が完成していると言われています。そして、大破した1機目からはまだ使えるコンポーネントを収集しており、約30%が再利用可能とされています。これが完成率30%と70%という2つのレポートがある理由かもしれません。1機目のパーツと2機目のパーツを単純に合わせれば100%ですが、もちろん足し算で完成できるほど簡単なものではありません。
直近まで現役で運用されていた1機目と、1980年代に開発が始まり2009年に開発がストップした機体ではシステムやプラットフォームがことなり、これを組み合わせるには莫大な労力がかかります。そして、それを戦時中のウクライナ、アントノフ社が行うには難しいタスクです。
#an225 takeoff by @flyrosta at GML pic.twitter.com/WJwV4ozxkm
— ANTONOV Airlines (@AirlinesAntonov) August 13, 2021
しかし、世界最大の航空機の復活を夢見る人は多く、再建には多数の航空愛好家のセレブが資金的な援助の意向を示しているとされ、さらに技術協力に関してはボーイング、エアバス社といった世界的な航空機メーカーの参加も噂されており、もしかすると何かしらの支援の目途がついたことで再建が始まったのかもしれません。
現在、アントノフ社は無事だった5機のAn-124輸送機と共にドイツのライプツィヒに拠点を移し、ウクライナに必要な物資の輸送にあたっていますが、An-225ムリーヤの再建がどこで行われているのかは不明です。それはロシアに狙われる可能性があるためで極秘扱いになっています。ウクライナ国内なのか、国外なのかも分かりません。この2機目はウクライナの再建の象徴になる機体であり、絶対に破壊されてはなりません。
Source
https://edition.cnn.com/travel/article/antonov-an225-mriya-rebuild-2022/index.html