トルコはアメリカから要求されたS-400防空ミサイルシステムのウクライナへの提供を拒否しました。S-400に関しては、アメリカとひと悶着があり、F-35プロジェクトから外された経緯があります。
トルコメディアの7日の報道によれば、トルコがロシアから購入した高度な防空ミサイルシステムS-400をウクライナに提供するようアメリカから要求がありましたが、メヴリュット・チャヴシュオール外相はそれを拒否したと述べました。S-400のウクライナへの提供要求はトルコの主権の侵害であり、安全保障に関わるとして強く反発しています。トルコはNATO加盟国でありながら、2017年にNATOの仮想敵国であるロシアから最新の防空ミサイルシステムであるS-400を購入する総額25億ドルの契約を締結しています。 最初のバッチは2019年にトルコに配達され、二番目のバッチは2022年8月に納品される予定でしたが、第三国への転売を禁じる契約条項にトルコが反対したため、納入は延期されています。ロシアとしてもこういった事態を見込んでいたのかもしれません。
S-400購入でF-35プロジェクトから外される
トルコはS-400購入と引き換えに大きな代償を払っています。S-400の購入に関してアメリカはNATOの防衛システムと互換性がなく、機密情報をロシアに公開する可能性があるからと、再三止めるように即していたものの、トルコはその忠告を無視して購入します。激怒したアメリカのトランプ大統領はトルコに制裁を科し、トルコが当初から参加していた、第5世代戦闘機のF-35共同開発プロジェクトから締め出します。トルコは100機のF-35の購入を予定しており、開発のために既に14億ドルを投資、最初のバッチも生産されていましたが、未だに1機も購入できていません。トルコは結局、自分たちで第5世代ステルス戦闘機の開発に着手しています。トルコはF-35プログラムに戻る気はないが、支払った金を返すように述べています。
写真:トルコ防衛庁SSBNATO加盟国であるトルコはロシアからS-400防空ミサイルシステムを購入、配備を行ったため、第5世代戦闘機F-35の共同開発プロジェクトから外され、同機の購入ができなくなってしまいました。そこで、トルコは[…]
アメリカはウクライナ軍が使い慣れたソ連/ロシア製の防空ミサイルシステムを保有する西側、NATO諸国に対し、ウクライナに提供するよう即しています。実際、スロバキアやスロベニアがS-300をウクライナに提供しています。対ロシアを睨んでアメリカはNATO間の関係強化を図っており、トルコとも関係改善のために現在のトルコの主力戦闘機であるF-16のバージョンアップについて交渉を進めています。
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