スコープ無しで数百人を狙撃した二人のスナイパー

スコープ無しで数百人を狙撃した二人のスナイパー
シモ・ヘイヘ

スナイパー(狙撃手)は一般の兵士では狙う事が難しい遠距離から射撃を行い、一撃で相手をしてめる特殊な技能を持った者です。アサルトライフルの交戦距離が平均50~200メートルなところ、スナイパーはそれ以上の距離からを相手を狙います。現代戦の狙撃距離の平均は500~1500メートル前後とされ、狙撃の世界記録は3,450mです。しかし、狙撃はスナイパーの技量だけでは成功しません。優れたスコープ、光学機器の類があって、初めて成功します。現代あれば狙撃を補助するスポッターの存在も重要です。だが、かつて、スコープもスポッターも無しに己の腕と目だけで何百人もを狙撃したスナイパーがいます。

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シモ・ヘイヘ(Simo Hayha)

誰もが知る伝説的スナイパーで史上最強のスナイパーといわれています。彼は第二次大戦中に活躍したフィンランド軍のスナイパーで、戦時中は枢軸軍側として、ソ連相手に戦い、モシン・ナガン小銃を使用して1日平均5人を狙撃、延べ505人ものソ連兵を射殺しました。これは断トツの世界最高記録で、今後、大規模な戦争でも起きない限り抜かれることはないでしょう。冬季の雪原では白い雪迷彩をまとい、相手に気づかれずに次々と狙撃する彼をソ連兵は「ホワイト・デス」と呼んで恐れます。そして、彼のもっとも凄いところは狙撃にスコープに一切頼らなかった点です。彼は全て裸眼で相手を捉えて狙撃したのです。狙撃距離は現代の平均距離のように長くはありませんが、150メートル以内の距離ではほぼ、百発百中という精度だったようです。

張桃芳(チャン・タオファン)

このスナイパーの名を聞いたことがある人は少ないでしょう。彼は朝鮮戦争に参戦した中国人民志願軍の兵士で中国では伝説的スナイパーとして有名です。彼もまた、スコープ無しで数々の狙撃を成功させました。1953年1月に前線の「三角丘の戦い」に配備された彼は迫る韓国軍にモシン・ナガンで応戦しますが、最初は全く敵に当たりませんでした。彼はその後、失敗を考察し、銃に備え付けられたアイアイサイトのみを使って射撃するテクニックを独自に見つけます。すると、彼はその後の32日間の戦いで合計214人もの敵の狙撃に成功します。使用した弾丸の数は442発で一人当たり、約2発を擁した計算です。

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彼ら二人の狙撃距離は数百メートルと今のような長距離レンジではありませんでしたが、それでもスコープ無しで、この射撃記録は驚異的です。100~200メートルの射撃でもスコープやドットサイトの助けなしに正確な射撃はなかなかできません。二人は遠くの標的程はっきり見えたと言われています。視力が並外れているといわれるアフリカのマサイ族が400~500メートル先まで視認できるといわれていたので、彼らもその位の距離なら裸眼で狙撃ができたのかもしれません。

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