米陸軍、NATO兵器を識別できるトランプを製作!ウクライナ兵のためか

米陸軍、NATO兵器を識別できるトランプを製作!ウクライナ兵のためか
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アメリカ陸軍は米軍を始めとしたNATO加盟国が運用する兵器がプリントされたトランプデッキを製作しました。しかし、これは兵士がカード遊びをするために作られたものではありません。

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ニューヨークタイムズによれば、米陸軍は52種類のNATO兵器がプリントされたトランプデッキを製作。トランプにはアメリカのM270 MLRSロケットシステムやフランスのAMX-10P歩兵戦闘車、スロバキアのDANA自走榴弾砲と主に地上兵器がメインにプリントされています。トランプは1~13のハート、ダイヤ、スペード、クローバーの52枚に加え、2枚のジョーカーも含まれており、トランプとしてプレイすることができますが、これは兵士が束の間の休息に遊ぶために作られたものではありません。トランプの目的はNATO同盟国が使用する兵器を理解し、現場の兵士が直ぐに識別できるよう訓練するために作られたトレーニングカードです。戦場での戦死の要因の2~25%は”同士撃ち”と言われる「フレンドリーファイア(FF)」によるものです。FFは大抵、誤認によって起き、それを防ぐ上で味方の兵器の理解、正確な識別が重要です。特にNATOといった多国間同盟で戦う場合は各国の見慣れない兵器が多数登場するので、間違い起きやすくなることが想定されます。実際、イラク、アフガニスタンでは米軍がイギリス軍やカナダ軍に間違って攻撃してしまうことがありました。

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ウクライナ兵のために作られた

しかし、これは米陸軍のために作られたものではなく、同盟国、協力国向けに作られたとされ、特に西側製兵器が多数供与されているウクライナ兵に向けられて作られたのでは言われています(米軍はウクライナ兵のためというのは否定、あくまで同盟国のため)。ウクライナ軍には戦車、装甲車、自走砲と多数の西側兵器が供与されていますが、これらは今までウクライナ軍で使用してこなかった兵器であり、ほぼ全ての兵士たちが見慣れていません。国旗やマークが見えればいいですが、それが見えない状況で初見で姿形から味方かどうか識別することは難しいでしょう。そもそも、今回の戦争、ロシア、ウクライナ両軍が同じソ連製兵器を使用しているため、同士討ちが多発しているとされます。春からは多数の新しい西側製兵器が投入される予定であり、見慣れない兵器が投入されれば、現場の兵士は更に混乱するかもしれず、その対策は急務です。

その対策が兵器をプリントしたトランプなのかもしれません。米軍は過去、イラク戦争でサダム・フセインといった重要指名手配犯、敵対するイランが使用する兵器をプリントしたトランプを製作して、兵士に持たせており、携行しやすく、遊びながら学べるとして、一定の効果が立証されているのかもしれません。

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Source

https://www.nytimes.com/2023/03/28/world/europe/ukraine-cards-nato-weapons.html?smid=tw-nytimes&smtyp=cur

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