人員不足の米陸軍は2024年、特殊部隊を削減するかもしれない

人員不足の米陸軍は2024年、特殊部隊を削減するかもしれない
US army

アメリカ陸軍の過去最悪の人員不足に陥っており、そのため、特殊部隊の人員を削減せざる負えないと報じられている。

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米陸軍は2024年に深刻な危機に直面する。2023年度末時点で、陸軍の現役兵員は45万2000人だ。これは1940年以来では最も少ない「最小兵力」になる。この人員不足を補うために部隊の構造を見直す必要があり、その影響を受けるのが特殊部隊とされている。

現在、米陸軍は将来の戦場の構造に適応するように設計された「マルチドメインバトル(Multi-Domain Battle:MDB)」と呼ばれる2017年にアメリカ陸軍特殊作戦司令部(USASOC)が発表した戦闘概念がある。マルチ、つまり多領域という意味は多領域ないしは全領域において同時進行で作戦遂行する戦い方になる。現在の戦いは陸上、海上、空といった物理的な環境だけでなく電子戦やサイバー攻撃、情報作戦など多様化している。また、作戦領域は宇宙にまで広がっている。軍や部隊の垣根を越えて、これらの多様な作戦領域の能力を統合して全領域において優勢を保ちと同時進行できる作戦能力が必要と説いている。その概念のもと、米陸軍はマルチドメインタスクフォース(Multi-Domain Task Force:MDTF)といった特別部隊を編成している。

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このマルチドメインを遂行するには現在の部隊編成を見直す必要があるが、人員不足の現状では対応するには人員が足りておらず、余剰戦力を見直す必要がある。その対象となっているのが対テロ部隊とされる「近接戦闘部隊」、いわゆる「特殊部隊」だ。クリスティーン・ワームス陸軍長官は2023年6月にアーミー・タイムズ紙とのインタビューで、「近接戦闘部隊」を削減すると述べている。昨年10月にはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が陸軍特殊作戦部隊3,000人削減の可能性があると報じた。2001年9月から始まった対テロ戦争もイラク戦争、イスラム国との大規模な戦闘が終わり、アフガニスタンから完全撤退した今、縮小傾向にある。そして、現在の最たる脅威が中国だ。中国との戦闘では中東で対峙した民兵やテロ組織ではなく、近代装備を持つ正規軍になり、戦闘も重火器、ミサイル、航空機を使用した大規模戦闘になる。これらの兵器の前では、個々の能力が高い特殊部隊兵士の効果は少ない。それは現在のロシア・ウクライナ戦争でも証明されており、ロシア軍の特殊部隊(スペツナズ)はその能力を発揮することなく、重火器を前に壊滅していると報じられている。アメリカ陸軍特殊作戦軍には約36000人の人員がいるとされ、代表的なところではデルタフォール、グリーンベレー、そして、連帯規模の戦力を持つ第75レンジャー連隊などいる。人員削減となれば、これらの3部隊も影響をうけるのだろうか。

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Source

https://www.defensenews.com/news/your-army/2023/12/28/army-numbers-smallest-since-wwii-what-units-face-cuts-in-2024/

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