ここ数年、強力な大口径ライフルを立て続けに開発するウクライナ。ナイトプレデタースナイパーライフルと呼ばれる「PG-14.5 Nichny Khizhak(ニクニー・キザック)」はそんな大口径ライフルの中でも最強かもしれません。
14.5mmなのに7.62mmよりも低い反動
PG-14.5はウクライナの軍需企業ウクロボロンプロムの一部である、キエフの “Mayak(マヤック)”工場によって2015年に開発された14.5x114mmの大口径対物ライフルで、「歩兵砲」とも言われています。
PG-14.5は新世代のサウンドモデレーター(サプレッサー)が装備されており、大口径ながら発射音は小さく、発射時のマズルフラッシュもありません。弾丸の弾道は内部から外部にスムーズに移行され、反動は7.62mmライフルの反動よりも小さく、ショット後の射手、銃への影響は最小限に抑えられます。銃本体は冷却性に優れ、激しい戦闘の中でも熱は人体と同じ温度を保ち、銃器としてのサーモカメラからの検出を難しくします。
全長はサプレッサーを取り付けた状態で2470mm、外せば1700mmまで短くなります。バレルはKPVT14.5mm機関砲のものをベースにしており、長さは1350mm、弾丸の標準初速は1050m /秒です。その最大射程は4000mにもなり、その精度は僅か1〜1.5角度で5発の内4発が3km先の直径100cmの円を撃ちました。対戦車ライフル弾としてソ連で開発された14.5x114mm弾を使用するその威力は強力で、歩兵戦闘車、装甲車両、要塞、装甲ヘリコプターを問題なく貫通します。弾丸は徹甲弾のB32と榴弾のMDZの2種類が使用できます。シングルショットのボルトアクション式になり、発射速度は毎分6発です。重量は32.96 kgで、サプレッサー無しの重量は22.29kgです。
現在、ウクライナ軍によってテストが行われおり、近いうちに採用されるかもしれません。
スペック
口径 | 14.5x114mm |
重量 | 32.96kg 22.29kg(サプレッサーなし) |
全長 | 2470mm 1700mm(サプレッサーなし) |
銃身長(バレル) | 1350mm |
弾丸 | 14.5×114mm B32徹甲弾 MDZ榴弾 |
装弾数 | 1発 |
射程距離 | 4000m |
弾速 | 1050m/s |
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Source
https://www.ukrmilitary.com/2020/12/mayak.html