ウクライナがとうとうハープーン対艦ミサイルを沿岸部に配備

ウクライナがとうとうハープーン対艦ミサイルを沿岸部に配備
デンマーク海軍図書館

ウクライナは先週、先月デンマークから提供されたハープーン対艦ミサイルシステムを配備したと、オレクシー・レズニコフ国防相が発表。ハープーンは既にロシア艦隊に対し、沿岸から距離を取らせることを強制していると述べました。

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ウクライナは5月28日にイギリスの支援のもとデンマークから対艦ミサイル「ハープーン」の受け取りを開始。おそらく提供まえから訓練は始まっており、既にウクライナ兵への訓練は終了、先週から配備されました。提供されたのは沿岸防衛システム用の地上発射型で、誘導やターゲティングなど改良されたハープーンブロックII RGM-84L-4になります。ハープーンの最大射程は315kmになりますが、RGM-84L-4の最大射程は124kmになり、クリミア半島を狙えるほどの射程は有しておらず、沿岸の防御部の防御に特化しています。

これまで、ロシア海軍黒海艦隊への攻撃は国産のネプチューン対艦ミサイルに依存してきましたが、ハープーンの配備により、オデーサを含め、沿岸の防御力は大幅に向上されました。ネプチューンの射程が最大280km、ハープーンが124kmになるので、ハープーンがどちらかというと防御より、ネプチューンはより攻撃的な立ち位置になると思われ、ロシア軍はこれまで以上に容易に沿岸部に近づけなくなります。ただ、ウクライナ軍は既に黒海艦隊を沖合100km以上先に押し返しており、今の現状であれば、ハープーンの出番はないかもしれません。しかし、ハープーンがあることでネプチューンを出し惜しみすることなく使用できるので、より攻撃的な対応が可能になります。

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ハープーン対艦ミサイル

ハープーン は、ボーイング・ディフェンス(旧:マグドネル・ダグラス社)によって開発および製造された全天候型の対艦・巡航ミサイルです。1960年代に開発が始まり、1977年より運用が開始され、以後、これまで何度も改良を重ね、今では日本をはじめ世界30か国以上、600隻以上の軍艦と180隻以上の潜水艦に搭載されるベストセラーのミサイルです。ハープーンは運用するプラットフォームに合わせ主に固定翼機に搭載する空対艦(AGM-84)、水上艦に搭載する艦対艦(RGM-84)、潜水艦に搭載する潜対艦(UGM-84)の3つのモデルが運用されていますが、コマンドアンドコントロール装置と一緒にトラックに搭載して運用する地上発射型もあります。ウクライナに提供されるのは地上発射型になります。

ハープーンは発射されると慣性誘導、若しくはGPSによって誘導され、撃墜とレーダー探知を避けるため、海上すれすれの低空(シースキミング)をマッハ0.85のスピードで飛行します。標的に近づくとアクティブレーダーホーミングを作動して標的を補足します。価格は1発あたり、150万ドルです。

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Source

https://www.kmu.gov.ua/en/news/zvernennya-ministra-oboroni-oleksiya-ryeznikova9062022

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