迫撃砲弾を搭載して敵陣地に突っ込むウクライナの新型無人地上車両「Ratel S」

迫撃砲弾を搭載して敵陣地に突っ込むウクライナの新型無人地上車両「Ratel S」
@FedorovMykhailo X

ウクライナの軍事技術集団であるBrave1は新型の無人地上車両「Ratel S」を開発した。ウクライナ軍での受け入れ試験に既に合格しており、まもなく実戦配備される。

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Ratel S(ラーテルS)は小型の無人地上車両で対戦車地雷や迫撃砲弾といった爆発物を搭載して運ぶ弾頭運搬車として開発された。ただ、目的はそれを運ぶためではなく、それを持って敵陣に突っ込み起爆することであり、これは自爆車両だ。車両専用の弾頭はなく、搭載した爆発物を起爆させるための遠隔起爆装置が搭載されている。そして、車体上部に対戦車地雷なり、迫撃砲弾を括りつけ、突っ込むというシンプルな作りだ。一人称視点 (FPV) の四輪電動車で、40kgのペイロード能力を持っており、対戦車地雷なら最大4個、120mm迫撃砲弾なら2個搭載できる計算だ。これだけの炸薬を持って敵陣に突っ込めば、戦車、塹壕も木っ端みじんにできる。

最大速度は24km/h、最長2時間走行が可能。操作は遠隔操作で操作範囲は5Kmになる。なので、敵戦闘車両や迫撃砲の射程範囲での使用が前提になり、飛行ドローンとは違い安全域からの操作はできない。多少のオフロードでも走行可能で高さ20~25cmまでの障害物を容易に通過でき、砂地でも問題はない。ただ、難点としては車高が低いため、車両カメラからの一人称視点では周囲の状況も分かりづらく、標的の視認もかなり近づかないと難しい。そのため、確実に標的に達するには上空からのサポートが必須で、途中までは飛行ドローンで車両オペレーターに導線を指示する必要がある。

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メリットとしては電動なので静穏性が高く、飛行ドローンのようなプロペラ音もせず、車高も低いので隠密性が高いのが最大のメリットだろう。ドローン攻撃というと空に目がいっており、ジャミングやセンサーも上空を監視、地上への対策は現状ほぼないと言ってもいいだろう。

Ratel Sは、当初、中国製のドローンを使用する事を検討、そして、同様のアイデアに取り組んでいたラトビアの「ロボットネスト」グループについても調査したが、どちらも要件に適合しないと判断したため、開発チームは独自の方法でをゼロから設計している。Ratel Sは間もなく戦場に投入されることになるだろう。

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Source

https://www.kyivpost.com/post/23189

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