F-16懇願の影でミラージュ2000の極秘訓練を行うウクライナ軍のパイロット

F-16懇願の影でミラージュ2000の極秘訓練を行うウクライナ軍のパイロット
Photo Armée de l’Air et de l’Espace

ウクライナはアメリカに対しF-16戦闘機の提供を要求していますが、その陰でフランスが極秘裏にウクライナ軍のパイロット30人にミラージュ2000戦闘機の訓練を行っているとフランスのフィガロ紙が報じました。

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同紙によれば、訓練はフランスのモン・ド・マルサンとナンシーの空軍基地で行われており、30人のパイロットはミラージュ2000の戦闘・爆撃の訓練プログラムを受けています。これは1か月半以上続いています。パイロットを訓練するという決定は、2月8日にゼレンスキー大統領がパリを訪問する前夜に行われたと言われています。今のところフランスがミラージュ2000を提供するという事実はありませんが、政治的決断がされれば、フランスは約10機の戦闘機をウクライナ軍に引き渡すことができる、とフィガロ紙は報じています。しかし、この報道のあと、フランス国防省のスポークスマンは報道を否定、フランスはウクライナ兵に訓練は行っていますが、”ウクライナパイロットへのミラージュ2000の戦闘訓練”は否定しました。戦闘機の提供はロシアを刺激することにもなり、非常に敏感な事案で、関係国との調整が必要です。

ウクライナはこれまで西側製の戦闘機の提供を度々要求しています。特にF-35の配備で西側先進諸国で不要になりつつあるF-16戦闘機の提供を求めており、オランダなどは提供に前向きですが、生産元のアメリカの承認が降りないため実現していません。ウクライナはフランスに過去、ラファール戦闘機の提供を求めましたが、これは拒否されています。そんな中、スロバキアが保有する13機のソ連製Mig-29のウクライナの提供が決定しています。しかし、ウクライナはより高性能な西側製戦闘機を求めています。

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ミラージュ2000

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ミラージュ2000はフランスのダッソー社初の戦闘機になり、1970年代に開発された第4世代のマルチロール戦闘機になります。1978年に初飛行を行い、フランス空軍の50周年にあたる1984年に初期量産型のミラージュ2000Cがフランス空軍に就役します。2007年に生産が終了するまでに約600機が生産され、インドやUAE、台湾に輸出されています。フランス空軍には現在195機の戦闘機があり、96機のラファールと99機のミラージュ2000がありますが、フランス空軍の主力戦闘機はラファールに切り替わりつつあり、ミラージュ2000は徐々に退役が進んでいます。2022年には初期モデルのミラージュ2000Cが全機退役しています。

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Source

https://www.lefigaro.fr/international/la-france-forme-des-pilotes-ukrainiens-sur-des-mirage-20230322

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