兵士は一度、任務に就けば数か月間、奥さん、彼女に会うことができません。会えない寂しさによる性的欲求は任務、訓練時においては集中力を散漫化させ、邪魔になります。これに対処するため米軍では兵士、特に新兵の性欲を抑制するために、昔から硝酸カリウムを摂取させてきたという都市伝説があります。
硝酸カリウムとはる硝酸塩の一種で、硝石という形で天然でも存在する物質で主に火薬や発火剤、肥料に用いられています。歯磨き粉の研磨剤や食用としては防腐剤、発色剤として使用されており、ソーセージやハムといった一部の食肉加工品において肉がもっている本来の赤身の色を保つためなどに使用されています。
この硝酸カリウムには性欲を抑制する効果あるという噂があり、刑務所や軍では食事に混ぜて提供されていた都市伝説が古くからアメリカにはあります。それは18世紀のアメリカ植民地時代まで、さかのぼります。実際、軍の食事には硝酸カリウムを含むソーセージやベーコン、スパムなど加工肉が多いのと、近年でも新兵が入隊後に「勃たなくなった」と声を上げる者もおり、この噂の信ぴょう性に拍車をかけました。
硝酸カリウムに性欲抑制の効果はない
しかし、この噂は全くのでたらめです。まず、硝酸カリウムが性欲を抑制させるという科学的立証データがありません。さらに軍で提供させる食事は食品医薬品局（FDA）と米国農務省の指導下にあり、FDAは1999年に燻製および調理済みの肉、非燻製および調理済みの肉、またはソーセージの硬化に硝酸カリウムの使用を禁止しています。少なくとも軍で2000年以降に提供させる肉には硝酸カリウムが一切入っていません。また、新兵が勃たなくなったのはあくまで肉体的、精神的疲労から生じた可能性が高いとされています。男性の方なら、なんとなくわかるところはあるでしょう。
実際、長い任務中にどうやって性的欲求に対処するかというと高い自制心で我慢するか、隠れて自慰行為をするしかないようです。兵舎といった集団生活の中では厳しいので歩哨など一人任務中などチャンスのようで、その場合、レインコートやポンチョを着用しているのがベストのようです。
