米下院外交委員会、ウクライナに射程300kmのATACMSを送る決議案を可決、バイデンも前向き

米下院外交委員会、ウクライナに射程300kmのATACMSを送る決議案を可決、バイデンも前向き
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米下院外交委員会は21日水曜、バイデン大統領政権に対し、ウクライナへの長距離ミサイルの即時提供を求める決議案を可決しました。これは以前から供与が望まれている射程300kmの地対地ミサイル「MGM-140 ATACMS」の提供に言及したものです。

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ウクライナは以前からATACMSの供与をアメリカに要望していましたが、ロシア領内も攻撃可能な同兵器については慎重な姿勢をとっていました。しかし、イギリスとフランスが射程250km超えの「ストーム・シャドー」を提供。提供発表翌日から早速成果を出しており、先日もクリミア半島と南部ヘルソンを結ぶ交通の要衝で、重要な兵站ルートの橋を破壊するなど成果を出しています。NATO各国が長距離兵器の供与に踏み切ったこともありバイデン大統領も姿勢を軟化、5月末にロシアの侵略に対抗するため、いずれウクライナに長距離兵器を提供する可能性をほのめかしていました。

とはいえ、アメリカとしてもそう簡単にATACMSを提供できない事情もあります。生産元のロッキード・マーティン社はこれまで4000発のATACMSを生産、米軍を始め、海外にも輸出してきました。米陸軍は1991年の湾岸戦争で初めて使用してから、2015年初頭まで少なくとも実戦で560発以上を使用してきました。しかし、コストを理由にATACMSの生産計画は2007年に終了しており、以降、生産されていません。現在は在庫を維持するために耐用年数延長プログラム (SLEP)を進めており、推進システムと航法システムを改修または交換、クラスター弾弾頭を単一の爆風破砕弾頭に置き換え、近接信管オプションを追加しています。つまり、消費しても、補充ができない状態です。米陸軍のATCAMSの在庫数は不明ですが、ウクライナ支援で様々な砲弾の在庫が著しく減少するなか、防衛能力を維持するためには確保しておきたい側面もあります。一部の保守派議員は提供に反対しています。

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地上からも長距離攻撃が可能に

ロシアの防空システムではM142 HIMARSとM270 MLRSを撃墜するのは不可能
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最大射程300kmの長距離誘導ミサイルの最大のメリットは地上から発射できることです。イギリス、フランスから提供された射程250km「ストーム・シャドウ」は空中発射型で航空機に乗せて運用する必要があり、検知されやすく、ロシア軍の防空網を避けるために安全域から発射すると射程を最大限活かせません。しかも、搭載できるのはウクライナ空軍が数機しか持っていないSu-24戦闘爆撃機のみです。その点、ATACMSはアメリカやドイツから提供されている地上ロケット砲システムのM270、HIMARSから発射できます。ウクライナはこれまで15両のM270、20両のHIMARSを受け取っており、十分な数があります。この2つの兵器は射程90kmの誘導ロケット弾で戦っていますが、これまで一度も被撃破確認がありません。つまり、空からよりもリスク少なく、敵陣に近づき射程を最大限活かして攻撃することがきます。M270の場合は2発、HIMARSは1発のATACMSを搭載することができます。

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Source

House committee passes resolution calling on US to send long-range missiles to Ukraine | The Hill

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