米海兵隊は1960年のベトナム戦争から使用している対軽装甲携帯型ロケットランチャーM72 LAWのアップグレードを計画しています。
米海兵隊システム司令部(MCSC)は公式サイトで海兵隊の致死性と安全性を高める次世代の肩発射ロケットシステムを配備することを目指していると発表しました。米陸軍は7月、MCSCの弾薬プログラム・マネージャーの指導の下、MCSCに代わってM72軽突撃兵器弾薬(FFE)の提案依頼書を公表しました。FFEは陸軍部隊の要件も満たしています。
バックブラストを低減
M72LAWは携帯型の使い捨て66 mm無誘導対装甲兵器です。主に軽装甲の車両や建物の破壊に用いられます。1960年のベトナム戦争から使用され何回かのアップグレードを経て現在も使用されています。コンパクトな対装甲兵器の弾薬は強力なバックブラスト(後方爆風)が発生するロケット推進システムを使用しているため、建物内部や狭いスペースで使用することできません。また、発生する煙によって射手の位置を特定することを容易にし、部隊を危険にさらします。
新しいM72 LAW FFEは同じコンパクトで軽量なシングルショットシステムですが強化されたインライン・トリガー機構と改良されたスリング設計を特徴としています。バックブラストとフラッシュを低減し、屋内など閉鎖された空間でも使用を可能にします。夜間においてはM72 FFEのフラッシュはM9拳銃よりも少なく、敵から発見される危険性を低減します。
二種類の弾頭
M72 FFEにはM72A8対装甲弾とM72A10多目的弾の2つの種類の弾頭があります。対装甲弾は装甲貫通力が高く戦車や装甲車への攻撃に、多目的弾は建物などの硬化構造物の破壊に適しています。M72A10は、ターゲットの構造に基づいて高速モードまたは遅延モードのいずれかで動作する自己識別ヒューズを備えており様々な建造物、バンカーに対処することができます。
海兵隊は2022年度にM72 FFEの配備を予定しています。