米国はウクライナにMQ-9リーパー無人機を提供するかもしれません

US Air Force

ウクライナは先週ワシントンで、アメリカの軍用無人機メーカーのGeneral Atomics(ゼネラル・アトミックス)社と会談を行い同社が開発製造する軍用無人機であるMQ-9リーパーUAVの提供について交渉を行いました。

sponser

MQ-9リーパーの提供の可否は不明ですが、例えゼネラル・アトミックス社が提供について前向きとしても、最終的にはペンタゴン、ホワイトハウス、そしてバイデン大統領の承認が必要です。会談自体が米政府の許可なしに行われた可能性は低いとされ、前向きな交渉とされています。アメリカはウクライナへの最大の軍事援助国であり、様々な武器を提供しています。その中には無人機も含まれており、無人偵察機RQ-11レイヴンや最近では新たに自爆ドローンSwitchblade(スイッチブレード)を提供するなど、既にドローンの支援実績はあります。しかし、同じドローンでもMQ-9リーパーは規模が全く違います。

sponser

サイズや価格、性能は有人軍用機と変わらない

MQ-9リーパーは2007年から米空軍で運用が始まった偵察攻撃無人機(UAV)で、イラクやアフガニスタンなど世界中の紛争地域で使用され、世界で最も実績がある攻撃ドローンです。無人機・ドローンと言っても全長11m、 翼幅20mと戦闘機と同等の大きさ、価格は3200万ドルにもなり、F-16戦闘機の最新ブロック同等、タイプによってはそれ以上になります。ウクライナ軍で既に運用されている攻撃ドローン「バイラクタルTB2」が6機セットで6900万ドルなので、1機あたりのコストはかなり高価です。

関連記事

Photo Baykar一時はロシア軍に握られたと思った制空権だが、ウクライナの防空システム、空軍は未だ健在であり、どうやら制空権は完全には握られてはいなく、地域によってウクライナ軍が掌握しているようだ。それを示すようにウクライナ[…]

ウクライナ軍が使うトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」がロシア軍を撃破

能力的にもTB2の倍の高度1.5万mを飛行し、衛星通信によって操作するその飛行範囲は1,900km、拡張モデルであれば2,575kmにもなり、27時間連続飛行が可能、比較的安全なウクライナ西部を拠点に東部まで運用ができ、離陸場所によってはモスクワまで飛行可能です。巡航速度250km、最高速度400kmとこれもTB2の約倍です。6つのハードポイントとヘルファイア対戦車ミサイル、ペイブウェイIIレーザー誘導爆弾、スティンガー空対空ミサイルを搭載。マルチスペクトルターゲティングシステム、ビジュアルセンサースイート、赤外線センサー、昼夜カメラ、赤外線カメラ、レーザー指示装置、およびレーザー照明装置を駆使し、偵察を行い、標的を捉え、精密攻撃を行います。規模、能力的には戦闘機を提供することと変わりはありません。

sponser

戦闘機の供与についてはロシア側は戦争への参戦を見なすと各国に警告を与えており、アメリカもNATOも有人の航空機の提供については慎重になっています。しかし、アメリカのスイッチブレード、トルコのバイラクタルTB2と無人機・ドローンの提供についてはロシア側からの強い抗議はありません。MQ-9リーパーの提供をロシア側がどのように見なすのかは不透明です。また、米空軍でのMQ-9の運用は基本的に制空権を握っている、敵機の脅威が無い空域での運用が前提です。過去、イランやイエメンで撃墜されたことがありますが、ロシア軍機が飛行する空域で、米国側が撃墜されるリスクを嫌うかもしれません。

ゼネラル・アトミックスは前に米国政府の要請を受けてから30日以内に協力国にMQ-9を提供したことがあり、米国の承認を得てから早ければ1か月以内に提供することができるとされます。

sponser

Source

https://www.forbes.com/sites/michaelpeck/2022/04/13/ukraine-may-get-us-mq-9-reaper-strike-drones/?sh=6587c5455b3b

sponser
米国はウクライナにMQ-9リーパー無人機を提供するかもしれません
フォローして最新情報をチェックしよう!