航空宇宙機器開発大手のボーイング社は、米海軍の主力艦載機F/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機のBlock IIIアップグレードの改修を開始した。改修により耐用年数は延長され、より高度なアビオニクスが搭載される。
The first @USNavy Block II #SuperHornet to receive the Block III avionics kit has arrived in St. Louis for service life modification. The jet will depart with a 4,000 flight hour increase, a large area touch screen display and upgraded capabilities. pic.twitter.com/OkGczxEEVr
— Boeing Defense (@BoeingDefense) July 13, 2023
ボーイングのディフェンス部門は7月13日、公式X(旧Twitter)で、最初の改修を受けるF/A-18スーパーホーネットBlock IIがボーイングが組み立てを行うミズーリ州セントルイスの複合施設に到着した映像を公開した。Xでは「Block IIIアビオニクスキットを受け取る最初の米海軍スーパーホーネットBlock IIが、耐用年数の変更のためにセントルイスに到着した。4,000時間の飛行時間の増加、大画面のタッチスクリーン表示など、アップグレードされた機能を備えて再出発する。」とボーイング社は述べている。
ボーイングは2021年の米海軍との契約に基づき、まず、78機のF/A-18スーパーホーネットBlock IIをBlock IIIに改修する。改修により、機体の飛行寿命は6,000時間から10,000 時間に延長される。更に最新のアビオニクスを搭載、より高度なタッチスクリーン コックピット ディスプレイ、およびより強力なコンピューター プロセッサーを備え、レーダー断面積は縮小される。これにより、スーパーホーネットは従来の第4世代戦闘機以上の能力を得ることになる、第4.5世代戦闘機になると言ってもよい。
US Navyアメリカ海軍の主力艦載戦闘機であるF/A-18E/F スーパーホーネットは2025年をもって生産を終了します。[adcode]F/A-18を生産するボーイング社は2月23日、米議会が2023年度予算に[…]
F/A-18スーパーホーネットは今後、追加の発注が無い貝切り2025年までに納入される8機のF/A-18E/Fを持って、生産ラインを閉鎖する予定だ。インド海軍が新しい空母の艦載機にF/A-18E/Fを検討に上げており、それ次第のところもあったが、先日、フランスのラファールMの導入を正式に決定している。ボーイング社は今後、スーパーホーネットのBlock IIIへの改修、及びF-15EX戦闘機と無人給油機MQ-25スティングレーの生産に注力する予定だ。また、アメリカ海軍省が3月13日に発表した2024年度の予算案にF/A‐18E/Fスーパーホーネットの後継機となる第6世代戦闘機F/A-XXの開発費約15億3000万ドルが含まれており、後継機の開発にも着手する。
Boeingアメリカ海軍は2024年度の予算案にF/A‐18E/Fスーパーホーネットの後継機となる第6世代戦闘機F/A-XXの開発予算を盛り込みました。[adcode]アメリカ海軍省が3月13日に発表した2024年[…]
F/A-18E/Fスーパーホーネットとは
F/A-18E/Fスーパーホーネットは1990年代にマクドネル・ダグラス社がF/A-18C/D ホーネットの発展型として開発したマルチロール戦闘機。Eが単座型、Fが複座型。1998年から米海軍の艦載機として運用が始まり、過去30年間に698機のF/A-18E/Fを購入。F/A-18A/Bから数えると40年以上にわたり、米海軍の主力戦闘機を務めている。