アメリカの造船企業Austal USA(オースタルUSA)は16日、自律機能を備えた最初のスピアヘッド級遠征高速輸送船を米海軍に納入したと発表しました。
オースタルUSAはフロリダ州沿岸部の都市名にちなんで命名されたスピアヘッド級遠征高速輸送船 USNS Apalachicola (EPF 13) をアメリカ海軍に引き渡したと16日、発表しました。EPF 13は13隻あるスピアヘッド級で最初の自律機能を備えた艦船で、自律能力を持つ船としては米海軍艦隊最大の水上艦となります。EPF 13は今後、数ヶ月の間に5度の海上試験を行う予定でL3ハリスとジェネラル・ダイナミクス・ミッション・システムズと共に船舶システム、自律機能のテストを行います。
「オースタルUSAは、この船を海軍に納入できることを誇りに思います。この船は革新的であり、無人能力が限界を押し広げ、ミッションの達成方法を再定義し続けるため、重要な資産になるでしょう」と、Austal USA の Rusty Murdaugh 社長はコメントしています。
スピアヘッド級遠征高速輸送艦
スピアヘッド級遠征高速輸送艦は2012年から米海軍で運用されている高速輸送船です。16隻が建造予定でEPF 13を含め、これまで13隻が就役しています。満載排水量2,500t、全長103m、乗員41名の中型輸送船で、荷物の高速輸送を目的に開発されており、吃水3.83mと浅く、海上を35~45ノット (65~83km/h)で移動します。搭載能力は544tと、米陸軍と米海兵隊の中隊サイズ規模の兵員(200~300人)、ACV水陸両用車両であれば20~30両を運ぶことができます。後部デッキにはヘリコプター甲板があり、CH-53Kキングスタリオンといった大型ヘリの発着艦も可能。EPF 13では更にV-22オスプレイの発着艦が可能になり、飛行運用をサポートする機能が拡張。11mの複合艇RHIBを発進および回収する機能も強化されています。
自律機能
EPF 13にはオースタルUSAが開発した高度に自動化された機械制御システム (MCS)を搭載。機械操作をブリッジに集中させることで船の操作を最小乗員に抑えることができます 。更に自動メンテナンス、ヘルスメンテナンス、およびミッションレディを追加し、人間の介入なしに最大30日間の運用を行う能力があります。
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