世界で禁止されている10の兵器

世界で禁止されている10の兵器

人類の長い戦いの歴史の中で、戦争にはいくつもの国際的なルールが生まれてきました。その一つに使用する兵器についてルールが定められました。戦争で使用される戦術と武器は、最終的な軍事目標を達成するために、相応かつ必要なものでなければならないとし、「本質的に無差別な武器」、「人体に無用な苦痛与える武器」の使用は禁止されました。禁止されている武器にはどのような物があるのでしょうか。

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戦争にもルールがある!やってはいけない7つの禁止事項
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化学兵器

世界で禁止されている10の兵器化学兵器

サリンやVXガスといった致死性がある毒ガスを化学兵器といいます。最初に使用されたのは第一次世界大戦での塩素ガスになり、吸引すると体内で水と反応し塩酸が生成され、人は体内から焼かれ、100万人以上が毒ガスの犠牲になりました。毒ガスは不特定多数を死に至らしめ、後遺症もひどかったことから第一次大戦後の1925年のハーグ陸戦条約第23条及びジュネーヴ議定書にて使用が禁止されます。しかし、シリア紛争でシリア軍が化学兵器を使用するなど、今でも一部紛争で使用されています。
致死性はありませんが暴動鎮圧に使われる催涙ガスも化学兵器の一つになります。

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催涙弾・催涙ガスの成分と対処法

生物兵器(細菌兵器)

世界で禁止されている10の兵器生物兵器(細菌兵器)

エボラや炭疽菌などウィルスや病原菌を兵器化したものを生物兵器、または細菌兵器といいます。生物兵器の利用の歴史は意外と古く中世頃から病気で亡くなった死体を敵地に送り、病気を蔓延させる行為が行われていました。ジュネーヴ議定書(1925年)、生物兵器禁止条約(1975年)で開発・生産・貯蔵・使用が禁止されています。 しかし、コロナウィルスは中国が作った細菌兵器という噂があったように、各国で生物兵器を開発している噂は絶えません。

毒矢・毒弾

世界で禁止されている10の兵器毒矢・毒弾

映画などよく見る毒矢、剣に毒を塗る行為。矢や剣の傷が致命傷でもなくても傷口から入った毒で死に至らします。中世の神聖ローマ帝国とフランスとの間では既に武器に毒を用いる行為は禁止されていました。これは毒の管理が大変で輸送や管理施設が不十分だった時代に毒が味方にも蔓延することがあったためです。

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検出不可能な兵器

世界で禁止されている10の兵器検出不可能な兵器

特定通常兵器使用禁止制限条約では検出不可能な材料の兵器使用を禁止しています。プラスチックなどの非金属はX線を使って見つけることが難しく、弾丸や爆弾が破片が体内に入った場合、それがプラスチック製だと発見摘出まで時間がかかり、余計な苦しみを与えることになります。銃などではプラスチックパーツが増えていますが、兵器製造全体に使用を禁止しているのではなく、弾丸や爆弾など直接人に効果を与えるものに対して使用を禁止しています。

対人地雷

攻撃されるのは地雷が無いから!トランプが米軍の地雷の使用制限を解除

地雷は意図しない形で民間人を無差別に殺傷するものであり、埋められた地雷は永続的に負の遺産として残り紛争が終わった後も地域に住む人を苦しませます。このような悲劇を繰り返さないために1997年にカナダのオタワで「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」が採択されました。日本も参加する条約になり、現在162か国が参加しています。しかし、この条約、アメリカやロシア、中国、インドといった軍事大国は参加していません。実際、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻でロシア軍が使用されていることが確認されています。また、対戦車地雷、ブービートラップ、遠隔地雷は対象になりません。

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焼夷兵器

世界で禁止されている10の兵器焼夷兵器

ナパーム弾や火炎放射器、焼夷弾など特定の地域を燃やしたり、火を付けるために設計された兵器は特定通常兵器使用禁止制限条約によって使用を禁止されています。全面的に使用を禁止されているわけではなく、民間人や民間施設の近くでは使用できません。軍事基地の近くに民間施設ある場合もその軍事基地には使用できません。

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ブラインドレーザー兵器

PHASR Rifle|対エイリアン銃のような対人レーザー銃

失明を伴うレーザー兵器の使用について特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)で禁止しています。米軍では2009年にレーザー光線を使って一時的にターゲットの視力を奪ったり、強烈な刺激を与えることでターゲットを行動不能にさせることができるPHASRライフルを開発していましたがCCWを批准したため計画は破棄されました。

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ダムダム弾

ダムダム弾は先端が鉛になり、人体に当たると変形、破裂し人体に多大な影響を与える弾薬です。主にイギリスが植民地戦争のインドで使用していました。1899年のハーグ国際会議で不必要な苦痛を与えるとして使用が禁止されます。

クラスター爆弾

クラスター爆弾とは一つの弾頭に小型の爆弾が複数入っており、空中で炸裂することによって広範囲に爆弾の雨を降らせます。しかし、その広範囲の攻撃力は民間人と戦闘員、民間施設と軍事施設を区別することは難しく、更にいくつもの不発弾を残し、二次災害が多発しました。2008年にクラスター弾に関する条約が採択され、締結国におけるクラスター爆弾の使用や保有・製造が禁止され、爆弾の廃棄が行われています。しかし、アメリカは2017年にクラスター爆弾の破棄を撤回しています。中国やロシアといった大国、北朝鮮、イランといったアメリカに敵対する国も破棄していません。

これら禁止兵器は全ての国が守っているわけではありません。特に軍事大国で世界の紛争を主導するアメリカやロシア、中国などは批准していないことが多く、これらの大国が承認しなければ敵対国もそうなります。また、条約を批准していないテロ組織や武装組織は守る理由がないのが現状です。正直、戦争が始まれば、「戦争にルールはない」といくつかのルールは反故されるのが現状です。

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