世界のステルス艦7選

世界のステルス艦7選
Photo by us navy

ステルス艦とは、敵のレーダーや音響探知から検知されにくいように特殊な設計と構造と施した艦船です。主に軍艦として使われており、海軍強国の世界中の国々の軍で採用が広まっています。そんな世界のステルス艦を紹介します。

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ステルス艦とは

海上ではソナーやレーダー、赤外線などを使って索敵、敵船を捕捉します。ステルス艦はこれらの機器の探知技術から検知されないように設計された船舶です。その特徴がレーダ断面積 (RCS)を極力減らした直角と凹凸が少ない流体的な船体設計です。通常の艦船はレーダー波や赤外線波を反射することで検知されてしまいますが、流体的な設計によって反射を低減しています。更に、その船体には電波・音響を反射せず吸収する特殊な素材でコーティングされています。エンジンも静音性に優れたディーゼルエンジンやガスエンジンを使用し、航跡が残りづらいウォータージェットが使用されます。
レーダー上ではステルス艦は相手に見えていないため、発見される前に先制攻撃を行ったり、偵察任務を行う事が出来、戦場で有利に立ち回ることができます。ステルス艦は小型のコルベットやミサイル艦に多くみられます。

ヴィスビュー級(Visby)コルベット艦‐スウェーデン

スウェーデン海軍の船で同国の世界的兵器メーカー”SAAB”グループの造船企業コッカムス社が開発建造しており、ステルス艦としては先駆けで世界をリードする船です。同国特有の入り組んだ入江フィヨルドに適応するため、排水量650トン、全長73メートルと小型のコルベット艦になりますが対水上戦、対潜水艦戦 (ASW) 、掃海任務、海上警備用をこなす多用途船舶です。武装は57mm速射砲、対地ミサイル、ASW魚雷4、ASWロケット及び機雷を装備します。最大速度35ノット(65km/h)。

ハミナ級(Hamina)ミサイル艇‐フィンランド

フィンランド海軍の高速ミサイル艇で、同国のAkerFinnyardsによって建造されています。ヴィスビュー級より小型で全長51m、排水量は250トンしかありません。おもな任務は沿岸の防衛とパトロールになります。ステルス化され、その上、小型ということもあり、探知はするのは難しいとされます。小型ながら武装は充実しており、57mm速射砲、射程100kmを超える対艦ミサイル、8機を同時に狙える対空ミサイル、2機の重機関銃が搭載されいます。最大速度30ノット(55km/h)

ズムウォルト級(Zumwalt)ミサイル駆逐艦‐アメリカ

ズムウォルト級(Zumwalt)ミサイル駆逐艦

世界最強の駆逐艦と知られる米海軍のミサイル駆逐艦です。駆逐艦といいながらもその大きさは巡洋艦クラスよりも大きい全長183m、排水量15,000トンをほこります。同艦の特徴はタンブルホームと呼ばれる波を貫く鋭く細い艦首です。内向けに傾斜し、波の抵抗を軽減するのと同時にRCSを低減しています。ミサイル艦という事もあり、優れた多機能レーダー(MFR)を搭載し、探知能力に優れます。武装には対空・対艦・弾道迎撃・対地ミサイルといったミサイル各種他の射程118kmをほこるLRLAP155mm砲二基を搭載しています。艦尾甲板にはヘリコプター甲板もあります。最大速度30ノット(56km/h)。

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ラファイエット級(La Fayette)フリゲート艦‐フランス

フランス海軍の船で同国の造船企業NAVALグループのDCNSによって開発製造されています。RCSを最小限に抑えるために甲板より上は内側に10度傾斜しており、表面は合金、強化プラスチック、ケブラーで作られています。武装は艦首にステルス化された100mm速射砲、対空・対艦ミサイルを搭載しています。また特殊部隊展開用に艦尾甲板にはヘリコプター甲板、小型特殊艇が搭載可能です。この船は輸出もされており、台湾海軍では康定級、サウジアラビア海軍ではアル・リヤド級、シンガポール海軍ではフォーミダブル級という名で配備されています。各海軍によって武装・スペックは若干異なり、仏海軍の船には無い対潜能力などが付与されています。最大速度25ノット(46km/h)

055型駆逐艦‐中国

中国人民解放軍の最新鋭の駆逐艦で、NATOのコードネームはRenhai class。全長は182m、排水量12,000トンと駆逐艦では大型で米軍では巡洋艦に分類しています。その能力は米海軍の駆逐艦に匹敵し、各種能力によっては米海軍を越えているとされ、フェーズドアレイレーダー含め、索敵能力は米軍より先端をいっています。武装は垂直発射システム(VLS)を主力としており、対空・対艦・巡航・対潜とあらゆるミサイルを搭載しています。ミサイル以外にも130mm速射砲を装備するなどズムウォルト級に匹敵する攻撃力をほこります。

沱江(ダコウ)級コルベット艦‐台湾

写真 中華民国海軍

中華民国海軍(台湾海軍)の船で全長60m、排水量567トンの小型のコルベット艦です。この船は2つの船体を甲板でつないだ高速双胴船になり、波浪貫通型双胴船(Wave Piercing Catamaran:WPC)という設計になります。主に東シナ海における対中国を目的に開発されました。武装は76mm速射砲、ファンクラス、対艦ミサイル、魚雷を搭載しており、対艦ミサイルの雄風II型、雄風III型はマッハ2以上の速度をほこり、地平線を水平飛行するこのミサイルは現状、迎撃はほぼ不可能とされ、対艦能力に関してはコルベット級としては最強といわれています。最大速度44ノット(81km)。

くまの フリゲート艦‐海上自衛隊

海上自衛隊初の本格的なステルス艦で2020年11月に進水した新鋭艦。海上自衛隊の船としては小型で全長133.0m、基準排水量は3900トン、最新の設備で船のシステムは自動化され省人化。わずか90名で運用される。三菱重工が設計に関わっており、同社が開発するステルス試作機X-2の電波吸収材を使用するな同機のステルス技術が織り込まれており、ステルス機能は高いとされる。一番艦より、二番艦が先に進水しており、「いずも型」「こんごう型」などの型名がまだ命名されていない。

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